一日一冊一感動!小野塚テルの『感動の仕入れ!』日記

タイトルは、『一日一冊一感動!小野塚テルの感動の仕入れ!』日記。 毎日の読書、映画、グルメ、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。(ときどき「酒場のギター弾き」「B級グルメ」も紹介します)

「東京、はじまる」(門井慶喜)

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東京、はじまる

東京、はじまる

 

その名前だけは知っていた。明治時代の建築家・辰野金吾この男がいなければ、今日の東京の風景は、なかったかもしれない。日本銀行、東京駅、国会議事堂……経済、交通、そして民主政治という近代国家を象徴する建物を次々と設計した明治の建築家。理想の首都「東京」を作り上げようとする辰野はまさに維新期ならではの超人だった。しかし、超人であるがゆえの破天荒さは周囲を振り回し……。下級武士から身を立てるべく学問に励み、洋行して列強諸国と日本の差に焦り、恩師ジョサイア・コンドルを蹴落としてでも日本人建築家による首都作りを目指した男の一代記は、今日の風景が生まれるに至った「東京のはじまり」の物語でもあった」そのエッセンスを紹介しよう。

 
「東京の街づくりは、すでに始まっている。私が一日休めば、その完成は一日おくれるんだ」
 

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・金吾の見るところでは、近代とは、都市への人工の集積であるそれがいちばんの根幹なのだ。都市に人があつまれば情報があつまり、判断があつまり、思想があつまり、利害があつまり、経験があつまり、特報があつまり……ひとことで言うなら知恵が集まる。知恵のやりとりが激しくなれば、また新しい知恵も生まれることになる。建築家の責務とは、ことに開化日本の建築家のそれは、(人があつまる、東京をつくる)言い換えるなら、東京を人間の整理箪笥にする。そうすれば日本はきっと発展する、というより、そうしなければ、ほろびるのだ。
 
東京はー江戸はーひっこう或る種の洗練された特殊な風俗しか生み出さなかった。ひたすらに天下泰平の惰眠の寝床でありつづけた。ペリーの黒船来航ごときで蜂の巣をつついたように騒ぎ出す気骨なき江戸市民!建物が、いや建物の不在が、日本を世界の三等国にしてしまったのだ。あいかわらずの巨大な空箱。あいかわらずの「疎」の充満こんな悠長なことをしていたら、やっぱり「日本は、ほろびる」。
 
日本銀行は、日本最初の中央銀行である。その記念すべき新築事業をもしも外国人が請け負ったら、ほかの仕事も、やはり政府は外国人にたのむだろう最初の中央駅、最初の国会議事堂、最初の総理公邸……存在そのものが日本の権威となるようなこれらの建物が、日本人以外の手でデザインされるのだ、たとえば鹿鳴館がそうだったように。「日銀の仕事は、こっちへもらう。先生から奪う。私があきらめるということは、日本があきらめるということだ」
 
日本初の辰野建築事務所ってこうやって誕生したのかあ!明治時代の生き生きとしたカンジが伝わってくる。スゴいなあ。この時代って。歴史教科書にも使えるね。高橋是清のところは特に惹き込まれる!オススメです。(・∀・)

 

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東京、はじまる

東京、はじまる