毎日読む本はアットランダムに選んでいるんだけど、偶然か、必然か。「老い」についてのテーマが多いなあ。やっぱり還暦効果なんだねー!♪
さてこの本。
「人間以外の生物は、老いずに死ぬ。ヒトだけが獲得した「長い老後」には重要な意味があったーー。生物学で捉えると、「老い」の常識が覆る!」そのエッセンスを紹介しよう。
・私たちは、最初から死ぬものとして生まれてきています。生まれるのは偶然です。女性だったり、女性だったり。人間であるのも偶然です。しかし、どんな生き物でも必ず死にます。切っても死なないプラナリアも踏んづけられれば死ぬし、少し水温が上がっただけで全滅します。「死ぬもの」だから「生きもの」なのです。
・「死ぬこと」は進化上必要であり、言ってみれば、これまでの地球上のさまざまな生き物の無数の死のおかげで、私たちは少しずつ進化し、現在までたどり着くことができたのです。「生物はなぜ死ぬのか」ではなく、死ぬものだけが進化できて、今存在しているのです、別の言い方をすれば、死ぬことは「他社を生かす」という意味にもなります。つまりすべての生き物は、偶然、勝手に、利己的に生まれますが、死ぬときには、結果として他を利するかたちで、公共的に死んでいくのです。
・死はこのように、その個体、ヒトの場合はその個人にとっては終わりでも、地球上の生命にとっては絶対的に必要な「意味のある」ことでした。これがなければ、そもそも生物は存在しなかった「進化の原動力」なのです。「死は進化に必要である」ことは、生物学的な「死生観」と言ってもいいのかもしれません。
・ヒトの場合はこの死の前に「老いの期間(老後)」があります。ヒトでは老後が30〜40年と非常に長いです。しかも、ヨボヨボな状態ーシワが増え、動きが緩慢になり、物忘れがひどくなるーは、ヒト特有のものです。実は長い老後も、ヒト以外の生物にはほとんど見られません。「老い」は「死」と違い、全ての生物に共通した絶対的なものではないのです。
・いったいなぜ、ヒトだけが老いるのでしょうか。「老い」とはいったい何なのでしょうか。ヒトにとって老いが必要なものなのです。もっと言うと、老いを実感しているシニアは社会にそって必須の存在であり、「老い」のおかげで人類の寿命が延び、今の文明社会が築かれたと、私は思っています。
・意外ですが、一般的にヒト以外の生物の老化期間は、短いか、ほとんどありません。つまり老化と死がほぼ同時に訪れるということです。
・老化して傷ついた細胞も同じように排除されるため、ゾウは基本的には老化現象を示さず、死ぬときには心筋梗塞などの循環器系の不具合が原因で、ピンピンコロリというわけです、結果的に「老いたゾウ」は存在しないのです。「老化」は自然界ではとても珍しい現象だったのです。
・おばあちゃんが元気で長生きな家族ほど、子供を持てるキャパシティが増え、子だくさんになったというのは容易に想像できますね。つまり長寿が有利だったのです。ゴリラの場合は、赤ちゃんは自分でいつも母親にしがみついてくれているので、おばあちゃんのヘルプはヒトほど重要ではありません。
・なぜ進化において「老化したヒト」の存在が選択されてきたのかーおさらいすると、社会性の生き物であるヒトは、家族を中心とした集団の中で進化してきました。集団の結束力で生き残ってきたのです。そこでは子育てや教育に貢献し、集団を安定させ豊かにする役割を担う「ヒト」の存在が有利になります。そうした役割を担う知識や経験豊富なヒト、「シニア」は必然的に年長者が多くなります。結果として、長寿で元気なヒトがいる集団が「強い集団」となり選択され、現在のヒトの長寿化につながっていったのです。言い方を変えれば「老化はヒトの社会が作り出した現象」と考えられます。
・生物学的に表現すると「なぜヒトだけが老いるのか」ではなく、老い人がいる社会が選択されて生き残ってきたのです。
「老いを老いずに生きる」「人は最後に老年的超越を目指す」など。
いいなあ、いい時代だなあ。老いるのが楽しみになるねー!オススメです。(^^)
いいなあ、いい時代だなあ。老いるのが楽しみになるねー!オススメです。(^^)