「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「疫病2020」(門田隆将)

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疫病2020

疫病2020

 

振り返ってみるとこの1、2年は「コロナ」に振り回されているよね。ここで一度情報を整理してみよう!ということで読んだのがこの本。門田隆将さん、いいよねー!

 

「この“怪物”がすべてを暴いた――。本書は「この星を支配し続ける人類を脅かす最大の敵はウイルスである」というノーベル生理学・医学賞受賞者ジョシュア・レダーバーグの言葉から始まる。後手、後手にまわる日本と、いち早く的確な対策で国民の命を救った台湾――両者の根本姿勢の違いは、時間が経過するにつれ、信じがたい「差」となって現われてくる。官邸・厚労省はなぜ国民の期待を裏切ったのか。筆者は、政府の足枷となった2つの“障害物”の正体に淡々と迫る。コロナ襲来の「現実」と未来への「教訓」にまで踏み込んだコロナ本の決定版」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・日本では、コロナ対策を「官僚」に依存して乗り切ろうとした安倍晋三首相が信じがたいリーダーシップの欠如を露呈した新型コロナウィルスは、同時進行で世界各国のリーダーの資質と能力、国民をどう守るかという信念、安全保障への問題意識……等々、さまざまなことを炙り出す機会ともなった各国はウィルス対策、医療体制維持への方策、中国との付き合い方など、根本問題を次から次へと突きつけられたのである。
 
・「必要なのは危機管理の専門家です。たとえば経済、軍事、流通、医療、こうした国家の危機に対応できる専門家チームがなんといっても必なんです。いかし、日本にはそれがない。ここが問題です感染症厚労省マターであって、その場合は厚労省に丸投げするような法体系になっているその肝心の厚労省が“平時の組織”で、これが町役場と同じで国家の危機管理などとてもできない組織なんですから、話にならないんです」
 
・「厚労省に過剰な期待をかける方が無理ですよ。そんな力量もないし、意識もありません。国民が期待するような機能は果たせていません。アメリカならCDCがあって、いち早く現場に行って現地調査をして政府に情報を上げて、同時に提言も行います。感染症を国家の危機管理として捉えていますからね。しかし、日本にはそんな専門家機関がありません。
 
・「北朝鮮より自由がなくなったといってもいいと思いますよ。だから今回のウィルスは中国にとって“最大の革命だ”と言われているんです。革命というより独裁が完成したと言った方がいいかもしれません。だから中国の人民はこのウィルス以降、おとなしくなりましたよ。誰も文句を言わなくなった。礼賛一食です。全部、行動が知られているから、勝手に地方に行ったらすぐに逮捕されますよ。中国で移動制限が出たら、実際に誰もが動けなくなるのはそういう理由からです。ウィルスを拡大させないとなったら、そんなことまでできるのが中国なんです」
 
・他人を思いやる気持ちが強い文化
握手をしない風土
衛生意識の高さ
 
政策がいくら失敗であろうと、日本人はこれらの武器を駆使してコロナ禍で「戦った」のだと思う。そして一つ目の〈他人を思いやる気持ちが強い文化〉が大きなポイントであろうと思う。そうとしか、あの医療現場で絶やされることがなかった看護師たちの「笑顔」は説明がつかないからである。香港のオンラインメディア「アジアタイムズ」の分析。「日本については「世界屈指の高齢者人口を抱えながら死亡率が低いことは特筆に値する」と評した。イタリアの死亡率は日本の「約45倍」と指摘し、高齢者が介護施設ではなく在宅で生活している割合は両国ともほぼ同じという調査結果も紹介した。「日本のロックダウン(都市閉鎖)は軽度」だが、「大規模な集会の禁止、マスク着用、手の消毒などの指示が広く守られている」とし韓国とともに社会的な規範意識の高さを賞賛した。
 
コロナ禍で日本が露呈した国家としての脆弱さは、筆舌に尽くしがたいものだった。日本は、感染症と戦うための「何も」持っていなかった。そもそも感染症を担うべき厚労省に「情報」も「心構え」も「ノウハウ」も「信念」も、本当に“何もなかった”のである。
 
・私が印象的だったのは台湾取材で見た台湾の当局者たちの意識の高さでした。台湾は世界でほとんど唯一“水際”に成功しましたが、彼らは中国によるウィルス攻撃まで意識していたのです。台湾はウィルスや国防に対して敏感で意識の高い動きを取ったのです。
 
「台湾の完全制御作戦」「武漢病毒研究所」「台湾の感染史上、最も悲惨な日」「二時間で消えた手記=武漢中国人女性医師の手記」
 
 

台湾ってスゴいなあ。日本も追いついて欲しいなあ……収束まであと何年かかるのだろう。じっくり読んでほしい。オススメです。(・∀・)

 

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疫病2020

疫病2020