「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「子どもも、おとなも楽しめる 江戸小ばなし2」(岡本和明)

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江戸小ばなし〈2〉―子どもも、おとなも楽しめる

江戸小ばなし〈2〉―子どもも、おとなも楽しめる

 

 以前紹介した「江戸小ばなし」の第二弾。ネタが古いようで、新鮮なものもたくさんあるんだよね。逆に平成生まれのヒトには、ウケるんじゃないかな。そのエッセンスを紹介しよう。

 
「辞世の句」
 
泥棒がつかまり、処刑されることになりました。いよいよ処刑されるときになって、
泥棒が、「お役人さま、しばらくお待ち下さい。今から辞世の句をよみますから」
申し出ました。
〈泥棒ながら、感心なやつ〉と思った役人が
「では、待ってやるから、よめ」というと、泥棒は
「かかるとき さこそ命の 惜しからめ かねてなき身と 思いしらずば」と、よみました。
「なんだ、それは太田道灌公の句ではないか」
すると、泥棒はにやりと笑って、
「へい、これがこの世での盗みおさめでございます」
 
「半殺し」
 
「お前はやたらと金を欲しがるが、命より金が欲しいか?」
「ええ、大金が手に入るなら、こんな命のひとつやふたつ、惜しくもありませんね。殺されたって、本望ですよ」
「そうか。それなら、オレがお前に千両やれば、好きなだけなぐって、殺されてもいいんだな?」
「旦那も千両出すとなるとたいへんでしょう?ですから、半殺しということで、ご百両出すってのは、どうでしょう?」
 
 
「泥棒はどこ?」
 
たいへん足の速い男が、
泥棒を追いかけていつ途中で、友だちと会いました。
「そんなに急いで、どこへ行くんだ?」
「今、泥棒を追いかけているんだ」
「泥棒?泥棒なんかいねえじゃねえか」
「あとからくる」
 
 
「身投げ」
 
両国橋で、毎晩身投げをする人間がいるため、橋の番人は役人に
「このように毎晩、身投げが出るのは、お前が仕事をさぼっているからにちがいないっ」
と、さんざん小言をいわれます。
橋の番人はくやしくてなりません。そこで、いつも以上に気をつけていると、夜中に若い娘が走ってきて、橋の欄干によじのぼり、身投げをしようとしました。
橋の番人は娘を後ろからつかまえると
「いいかげんにしろ!毎晩毎晩、身投げをしやがって……」
 
 
「へそ曲がり」
 
〈あいつはへそ曲がりだから、遺言は反対のことをいっておいたほうがいいだろう〉
父親は、息子を枕元に呼ぶと、
「オレはもう長くはないから、今、いっておくが、オレが死んでも葬式には金をかけず、遺体は菰(こも)に包んで、川に捨ててほしい」といいつけました。
それから数日後、父親が死ぬと息子は、
「これまで親父のいうことにそむいてばかりばかりいたが、こんどばかりは、親父のいうとおりにしないわけにはいかないだろう」
 

いいねえ。昔も今も、普遍なジョークは通用するよね。オススメです!♪ (・∀・)

 

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江戸小ばなし〈2〉―子どもも、おとなも楽しめる

江戸小ばなし〈2〉―子どもも、おとなも楽しめる