幻の300勝投手 池永正明―永久追放は正しかったか (シルバースターブックス)
- 作者: 蕪木和夫
- 出版社/メーカー: 銀星出版社
- 発売日: 1992/07
- メディア: 単行本
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「打高投低」のプロ野球界。2000本安打は昨年、ロッテの福浦和也選手が達成したけど、200勝は日米通算なら広島の黒田博樹投手、日本のみなら中日の山本昌以来でていない。ましてやその上の記録といえば「最後の300勝」といわれる近鉄・鈴木啓示以来40年以上出ていない偉大な記録だっ!
さてこの投手。もしかしたらその記録を超えたかもしれない「幻の300勝投手」元西鉄ライオンズのエース池永正明。八百長未遂にもかかわらず、球界を追放されて22年。未だに“永久失格選手”の烙印をおされたままだ。このいわゆる球界の“黒い霧事件”の全貌とその処分の正否に鋭く迫る。そのエッセンスを紹介しよう。
・昭和45年5月25日。この日、 一人のプロ野球選手が不本意のまま、プロ野球界から抹殺された。 ー池永正明(当時西鉄ライオンズ)投手である。 世にいうところの「黒い霧事件」に関与したとして、 永久追放処分を受けたのだ。彼は「無実」 だったーにもかかわらずプロ球界から追放された。 最強の野武士軍団と謳われた西鉄ライオンズ。 稲尾和久ー池永正明ー東尾修。 それぞれの時代をつくったエースたちだが稲尾や東尾に比べ、 池永だけがあまりにも悲しい運命にもてあそばれたような気がして ならない。
・「神さま、仏さま、稲尾さま」 と博多っ子に崇拝されたスーパーヒーロー稲尾和久だが、 この年より7年後、 西鉄には鉄腕稲尾を超えたかも知れぬ可能性を秘めた投手がやって きた。いや、あえて「幻の大投手」と言わせていただく。そう、 黒い霧の中に消えた怪腕・池永正明のことをー。
・ 下関商時代の池永の投球フォームの連続写真をつぶさに見ていると 何といってもどっしりとした下半身の安定感に驚く。 その大きくてどっしりとした腰、 胸の張りのすばらしさを見て誰かに似ているなと思ったらちょうと 池永から10年後に甲子園に姿を現した江川卓に瓜二つだ。いや、 正確には江川が池永に似ていると言うべきだろう。 池永正明と江川卓。投手としての資質もさることながら、 歩んだ過程はかなりちがっているのだが、 共に完全燃焼できずに球界を去っている、 という悲劇性が妙に似通っている気がする。
高橋良昌「うーむ。すごい投手だったね。球は速いし、 コントロールは抜群だし、変化球のキレも良かったしね。 安定している投手だったよね。 江川と似ていると言う人もいるけど江川よりはるかに上だとボクは 思うよ。まあ、もったいないことしたよね。 あんなことさえなければ300勝いった投手だったもの」
池永の全盛期を見てみたかったなあ…。惜しい投手だった…。野球ファン、必読っ!オススメです!♪
幻の300勝投手 池永正明―永久追放は正しかったか (シルバースターブックス)
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