ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち
この本はいいなあ……メロディーが流れるなあ……。「70年代から80年代、都内のレコーディング・スタジオは活気に満ち溢れ、数々の名曲と名演が生まれ続けていた――」
作詞家や作曲家はスポットライト浴びるけど、編曲家、アレンジャーのスゴさが分かるわー!「今までスポットがあてられることのなかった編曲家に焦点を絞り、たくさんの名楽曲を生んだ頭脳と、レコーディング時のエピソードに迫る。名曲を生み出すために奔走した制作ディレクターや、名演を繰り広げたスタジオ・ミュージシャン、それらの音を記録し続けたエンジニアの他、元マネージャーをはじめとした関係者など、多方面から証言を収集。編曲家のすごさを今、あらためて浮き彫りにする」そのエッセンスを紹介しよう。
・川口真(ザ・ドリフターズ「ドリフのズンドコ節」、欧陽菲菲「雨の御堂筋」、布施明「積木の部屋」山口百恵「いい日旅立ち」テレサ・テン「つぐない」など)
作曲も編曲も自分の中では一緒なんです。普通に考えると、作曲はその人のオリジリティで、編曲は他の人が書いたメロディをどう生かすかという感じだと思いますけど、あんまり変わりはなかった。抵抗もなかったですし。作業の中身はぜんぜん違うんですけどね。
個人的にアレンジ作業はイントロがすごく重要だっと思っていて、何からなるかっていうと、イントロから考える。逆にイントロができたら、もう終わったも同然。イントロがうまくできたら、全部うまくいくって思ってるくらいですよ。ヒットした曲、成功した曲っていうのはみんなそれなりにアレンジャーが力を発揮してると思います。
・萩田光雄(太田裕美「木綿のハンカチーフ」山口百恵「横須賀ストーリー」久保田早紀「異邦人」桑江知子「私のハートはストップモーション」H2O「想い出がいっぱい」あみん「待つわ」中森明菜「少女A」「セカンド・ラブ」小林明子「恋におちて」)
アレンジャーの仕事の大きな部分っていうのは、譜面を書けることっていうのもあるけど、現場でミュージシャンを操る……っていうと高飛車だけど、人間をコントロールする……コミュニケーション能力とも言えるかもしれないけど、それが要素として大きいと思うね。ミュージシャンからどれだけのものを引き出せるかが勝負だね。最近は打ち込みが多くなってきたり、一方的に機械にコマンドを送るだけの作業になっていっちゃったから、なにか冷たいね。
その他、「星勝」「瀬尾一三」「若草恵」「大谷和夫」「船山基紀」「大村雅朗」「井上鑑」「佐藤順」「新川博」「武部聡志」など。
ワタシの中では「木綿のハンカチーフ」「異邦人」のイントロは、スゴいねえ。そして星勝アレンジの井上陽水の「氷の世界」は秀逸だよね。アレンジャーって偉大だなあ。音楽ファン必読!オススメです。(・∀・)