「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「空の上で本当にあった心温まる物語2」(三枝里枝子)

仕事で、全国を飛び回っているので、航空会社と飛行機と空港にはいつも大変お世話になっている。(・∀・)そしてそこにはさまざまなドラマがあるよね。そのエピソードをまとめたのが、


『空の上で本当にあった心温まる物語』(三枝里枝子)


だったよね。さあ、この本はその第二弾。中でも最も印象的だったお話を紹介しよう。



『心の目』(大分 → 羽田)



白い杖を持ったご婦人が、優先搭乗なさいました。奥様は3年前に交通事故で突然、全盲になってしまったとのこと。


そのことをうかがい、「どうしたらこのお客様にこのフライトを楽しんでいただくことができるだろうか」と少し不安になりました。どんな介助が喜ばれるのか、どうしたら
笑顔になっていただけるのかと考えながらお席までご案内いたしました。お孫さんの七五三のお祝いのために状況なさることをうかがいました。


機内でお弁当を召し上がるとうかがい、お手伝いをさせていただくことになりました。内心ドキドキしながら、テーブルにお弁当を置き、食べられない飾りや薬味などを取り除いてから、お料理の説明をはじめました。「中央手前の位置には大根おろしがあります。いくらが載っているので、紅白できれいです…」こんなたどたどしい説明で伝わるだろうかと不安になっていると、「ありがとう。大丈夫よ。よくわかるわ」と声をかけていただきました。私の不安など、その方はお見通しだったのです。



さらに、「場所を示す時は時計の文字盤をイメージしてくださると、わかりやすいわ」と教えてくださいました。
「3時の位置には、海老のすり身のあんかけがあります。わさびが上に載っていますのでお気をつけください。6時の位置には、マグロの煮つけがございます」アドバイスに従ってご案内を続けると、「わかりやすいわ。お上手ね」と、笑顔でおいしそうに召し上がってくださいました。


「目が見えないとね、その分いろいろなことを心で感じるようになるの。目が見えている時には、まったくわからなかったのにね…両目とも視力を失ってしまったけれど、その代わりに第三の目を授かったのかもしれないわ。『心の目』をね。だから目が見えないことは、少しもかわいそうではないのよ」ただ…と、奥様は言葉を続けました。「ただ、私たちのような者は、今日のあなたのように声をかけてくれる人がいるだけで、とても助かるの。安心するの。ありがとう」
奥様の言葉に、「こちらこそ、ありがとうございます」とお伝えしながら、見えていないのは私のほうだとハッとさせられました。



どれだけ心の目を遣って、お客様へのサービスをしてきたろうかー。目で見えていることだけで、判断してこなかっただろうかー。「お気をつけて行ってらっしゃいませ。またのご搭乗をお待ちしております」


いいなあ…。心の目かあ…白杖をもっている人の心の目になりたいね。オススメです。





第一弾を読みたい方は、こちらへ。(・∀・)


「空の上で本当にあった心温まる物語」(三枝里枝子)