- 作者: 鈴木康之
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 文庫
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この本に書かれている名作コピーの数々。「メガネは、涙をながせません」(金鳳堂)、「たばこを持つ手は、子供の顔の高さだった。」(日本たばこ産業)、「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」(日本ペットフード)、「牛一頭食べたとしても、999円」…などなど。そうそう、先日紹介したこのコピーも収録されていた。
HUMAN〜アシックス創業者・鬼塚喜八郎「失敗の履歴書」
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20100213
文章は書くものではなく、読んでもらうもの。その広告コピーを学びながら、読み手を惹きつけ、思いが伝わる文章の書き方を指南するのがこの本。めちゃめちゃ面白い!書き方は実際に読んでいただくとして、名作コピーを二つ紹介しよう。(^_-)-☆
・年賀状は、贈り物だと思う。
たった一枚の、小さくて、うすい紙。
それが年賀状です。
そこには何も入らない。
指輪も、セーターも、シャンパンも入らない。
でも、そこには、あなたを入れられる。
あなたの気持ちを、あなたの言葉を、
あなたの表現を入れることができる。
だから年賀状はすばらしい。
そう思いませんか。
大切な人のもとへ。
一年で、いちばん始めに届けられるプレゼント。
(日本郵政グループ 岩崎俊一+岡本欣也)
・人は、
書くことと、消すことで、
書いている。
消しゴムを使う人を見ると、あ、この人はいま、一生けんめい
闘っているんだな、と、なんだかちょっと応援したくなります。
自分の想いを、正しく、わかりやすく伝えるにはどう書けばいいのか。
それと真正面から向きあい、苦しみ、迷いながら、でもなんとか
前へ進もうともがいている。消す、という行為には、人間の
そんなひたむきな想いがこもっている気がしてなりません。
文房具づくりにたずさわって、まもなく100年。トンボは
「書く道具」と同じくらい、「消す道具」を大切に育ててきました。
日本の定番といってもいい消しゴム。品質をみがくことで、
大きな市場を切り開いた修正テープ。そこにあるものを、すばやく、
美しく、カンタンに消し去ることで、この世にほんとうに
生まれて来なければならなかったものが姿をあらわしてくる。
消すことは、また、書くことである、と信じるトンボです。
株式会社トンボ鉛筆
トンボが動いている。
人が、何かを生み出している。
どう?響くよね〜!(^◇^)著者の次のメッセージは、それ自体が名作コピーでもあり、コミュニケーションの原則だよね。文庫だから読みやすい!深い!おススメよ!(^◇^)
「人に会ったら、全身テープレコーダーになりなさい。実際にテープレコーダーも使いなさい。いい話が聞けるまで、聞きなさい、待ちなさい。ぜひだれかに聞かせたい、という強い衝動に襲われるまで待ちなさい。いい話の中身だけでなく、その人独特の言葉遣い、クセやナマリ、息遣いまでも、土産として持ち帰りなさい。聞き上手のあとは、上手に読まれる書き上手にになりなさい。読まれなかったら、どんないい土産話も水の泡です」