「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『情熱野球で勝つ「言葉の鉄拳」』(高橋善正)

情熱野球で勝つ「言葉の鉄拳」 (ベースボール・マガジン社新書)

情熱野球で勝つ「言葉の鉄拳」 (ベースボール・マガジン社新書)

またまた野球の話。古い話になるけど、第一次長嶋茂雄監督時代のジャイアンツの投手といったら、堀内恒夫、新浦寿夫、加藤初小林繁クライド・ライト浅野啓司、倉田誠で、中継ぎ投手といったら、小川邦和高橋善正(当時は良昌)だったよね〜!(^_-)-☆その高橋善正が、東映フライヤーズ時代は、新人王、そして完全試合を達成したこともあるなんて知らなかった…。(^^ゞ


その氏が昨年から母校である中央大学の監督に就任したのだが、氏が語るアマチュア野球での勝ち方、指導法を赤裸々に綴り、と現代の若者を叱る青少年教育論大放談!こんなに激しい人だったとは知らなかった!(>_<)そのエッセンスを紹介しよう。



「殴らないが、自己責任を求める。オレの指導がイヤなら辞めてもらって結構」、2008年2月。中央大学野球部員を前に宣言した。殴って教えたりしないだ、緊張感は必要だ。ピリピリした空気の中でしか、本当の指導は出来ない、選手は育たないと考えている。それで監督の指導が聞けない部員、従いたくないという部員はクビにする。親に伝えたり相談したりしない。諸君とオレ、1対1で話す、大人として扱うというのはそういうことだ。


・寮の規則も厳しくした。「当番制で庭掃除」「門限・消灯は厳守」「玄関はきれいに」「廊下に私物は置かない」「飲酒・大声の禁止」。人に不快感を与えるのは失礼だ。見苦しくない程度に清潔にしておきたい。ご近所さんだって喜んでくれるだろう。自分たちの気分がすっきりするだけでなく掃除をした甲斐があるというものだ。それが脳の回路にしまいこまれると野球にも生きる。


・打撃練習は、まずバントを数本転がしてからフリー打撃に入る。ところが、そのバントを失敗するヤツは、打撃練習をやらせない。本気を出してバントをやらないで、「さあ打つか」というのは許さない。ヘタなやつのために、みんなが苦労する。いまどきはヘタなヤツに甘すぎる。うまい選手が殺されることになる。それじゃダメだ。


「野球はひとりではできない。だから連帯責任で全員が力を合わせて戦う」。それを収支徹底させ、同時に体を鍛えるやるために、ペナルティは体で覚えさせる。例えば、練習でボールを一個失くした。そのとき、怒鳴ったり叱ったりしない。説教はやらない。全員を集めて言うだけだ。「はい、グラウンド20周、ヨーイ・ドン」。ひとり手を抜いている部員がいる。名指しして呼びつけて「ダメだなあ、抜いてるじゃないか」と、指摘してから全員集めていう。「はい、スクワット500回、追加。ヨーイ、ドン」。野球はひとりではできないことを体で覚える。ほかの部員に迷惑かけたくないから、真剣に練習に取り組むようになる。


・なぜあいさつをするのか。そういうことを、子どもたちは教えられてはいない。「ちわーす」と声を出す。それであいさつをしたと思っているのだ。
大きな声であいさつをすることは、野球でいう「声の連係」につながる。相手に聞こえないようでは意味がない。守備では、咄嗟に大きな声を出さなければいけないときが何度かある。大怪我につながることもある。野球にも通じることだ。なぜ、こういう練習をやるのか、根っこのところが分からないで練習だけをする。あいさつの問題は根が深い。


・日本は、リトルリーグのころから、子どもたちは命令されて従うことを教えられる。考えることが許されないという場合が多いのもたしかである。「うまくなりたい」「プロへ行きたい」じゃ、そのためにどうするんだ?と聞けば、答えがない。もっと考えなさいということだ。なぜ、この練習をやるのか、と常に考え、神経を使って欲しい。


野球でメシを食うのはたいへんだ。最低でも卒業しておかないと、あとで苦労する。それで、寮の玄関の連絡ボードに張り紙を出した。「2年生終了時点で、年度単位取得50以下の部員は練習の必要なし」。見切りをつけるのはつらいかもしれない。しかし、それを念頭に置いて練習すれば真剣度が違ってくるだろう。集中力も増すのではないか。


・強豪校ではない中央大学に、「スーパー高校生」は入部してこない。スピードボールを投げる選手、打球を遠くへかっ飛ばせる選手はどうせこないから、それとは別の能力を持つ選手を探して集める。「足と肩」である。足腰の強い子は「守る野球」ができる。打者のパワー不足はバットのスピードアップで補う。投手ならスピード不足をコントロールを鍛えて制球力で補う。人には間違いなく持って生まれた資質がある。野球に50年以上も携わってきていえるのは、運動能力には歴然とした優劣があるということだ。素質で劣る力をカバーするには、全員の力を結集させることが大事だ。


東映(現日本ハム)から巨人に移籍して、ON〜王貞治長嶋茂雄を知った。二人の存在が、オレの大きな財産になった。では、ONのどこにそれを見たか?
「野球に取り組む姿勢」である。ふたりは徹底していた。これほどやるのかというくらい練習をした。
長嶋茂雄はシーズン中も、試合後に毎晩バットを振った。人の見ていないところで猛烈に練習した。キャンプでは、部屋からスイングの音が途切れなかった。守備の練習にも手を抜かなかった。
王貞治もバットを振った。試合前、報道陣を相手にしながら、等身大の鏡の前で素振りをする。話をしてもスイングは乱れない。集中力の強さは、それまでこなしたスイング数から生まれたものだと思う。誰もが「ONがあれだけやってるんだから、オレたちもやらなきゃ」という気にさせられた。野球がうまくなりたい、というのを、体を実践して見せてくれた、という点で最高のお手本だった。


・反省会は試合後のロッカールームで行う。勝ったとか負けたとか、結果の話はしない。ミスを怒るのではなく、よいプレー、悪いプレーについて評価する。積極的なプレーについては失敗してもミスをは思わない。失敗しても気持ちが出ているプレーはミスとかたづけない。だいたいはミスを指摘する。しかし、アタマで理解しても意味がない。ミスを防ぐためにはどうするか?練習である。試合後、バスで寮のある八王子のグラウンドへ行き、そこれミスをしたプレーの反省会を体で行う。だいたい1時間くらいはやる。ひとつはミスを防ぐための繰り返さないための技術の向上。もうひとつは精神的なシゴキといってもよい。単純ミスでも、やっちゃいかんと体に覚えさせるためだ。


その他、「過保護の学生たち」、「意識は小学生レベル」、「どうすれば試合に勝てるか」などは、経営者、指導者必読!オススメよ!(^_-)-☆