- 作者: 池谷裕二,糸井重里
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/06/26
- メディア: 文庫
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鹿児島は初めて!やっぱり南国だね〜!日差しの強さが違う!セミナー会場からは桜島が見える!
さて、この本はまたまたオモシロイよ〜!著者は、脳の「海馬」の研究家、東京大学薬学部助手の池谷裕二と、『ほぼ日刊イトイ新聞』を主宰するコピーライター・糸井重里氏の脳に関しての対談集。
脳ってスゴイね〜!オー!ノー!とか言わないで、まず読んでみて!そのツボとコツを紹介しよう。
・「年を取ったからもの忘れをする」というのは、科学的には間違いなんです。大人が一万個の知識の中からひとつを選ぶようものとしたら、子ども十個の記憶の中からひとつ選び出すだけだからすぐに出来る、というような比喩が出来ます。ど忘れしていても、「あっ、それそれ!それを言いたかった」と分かりますよね。つまりど忘れしている最中でも、その一方で脳は、正解が何かもまた、ちゃんと知っているわけです。
・大人はマンネリ化した気になってモノを見ているから、驚きや刺激が減ってしまう…。刺激が減るから、印象に残らずにまるで記憶力が落ちたかのような錯覚を抱くようになる…。ですから脳の機能が低下しているかどうかということよりも、まわりの世界を新鮮に見ていられるかどうかということのほうを、ずっと気にしたほうがいいでしょう。
・ものや人とコミュニケーションがきちんと取れている状態を「脳の働きがいい状態」といってもいいでしょう。脳の働きは、「ものとものとを結びつけて新しい情報をつくっていいく」というのが基本です。
・別のものどうしを結びつけちゃう能力、それを納得させてしまう説得力、「たとえ力」は、脳の働きがいいということです。
・考え事をして疲れを感じたときは、あれは脳が疲れているわけではない。だとしたら、「30分休憩して疲れを取って」という考え方をしないほうがいいですね。脳はいつでも元気いっぱいなんです。ぜんぜん疲れないんです。疲れるとしたら目なんですよ。僕は、パソコンの前にいすぎて疲れたなあと思うときには、席を立って歩き回りながらも、同じことを考え続けます。
・「ひとつのことを毎日、10年くりかえしさえすれば、才能があろうがなかろうがモノになる」という言葉は正しいです。10年やり続ければ、経験メモリーどうしの組み合わせ能力を飛躍的に増すでしょう。
・「やる気」を生み出す脳の場所は側坐核(そくざかく)と言いまして、脳のほぼ真ん中に左右ひとつずつあります。その側坐核の神経細胞はやっかいなことに、なかなか活動してくれないのです。どうすれば活動をはじめるかというと、ある程度の刺激が来た時だけです。つまり、「刺激が与えられるとさらに活動してくれる」…つまり、やる気がない場合でもやり始めるしかない、ということなんですね。
・達成感という快楽をいかに味わうかというと、「目標は大きく」ではなく、「目標は小刻みに」と心掛けるほうがうまくいくようです。「今日はここまでやろう」とか、「一時間でこれをやろう」と実行可能な目標を立てると、目標を達成するたびに快楽物質が出て、やる気を維持できます。
・心理学のことばで初頭効果と終末効果と呼ぶのですが、テスト時間内の最初と最後に能率があがるように、あることのはじめと終わりには仕事がはかどるんです。それを逆手に取ると、たとえば一時間何かをやるにしても、30分が二回あるんだと思うと、はじめと終わりが一回ずつ増えるから、よりはかどる…。脳との心理戦というか、脳をだますことによってアセチルコリンやドーパミンを出させるのは、誰でもできることなんです。
・扁桃体を活躍させると海馬も活躍します。扁桃体をいちばん活躍させる状況は、生命の危機状況です。だから、ちょっと部屋を寒くするとか、お腹をちょっと空かせるという状態は、脳を余計に動かします。寒いのは、エサの欠乏する冬の到来のサインですし、お腹を空かせるのは直に飢えにつなかりますから。
・神経細胞のつながるカギを握っているのは受け手です。脳細胞がそうであるように、わたしたちの日常でも、「受け手としての磨かれ方」が、コミュニケーションにおいてとても重要かもしれません。受け手が活発であれば、関係は築かれるのです。
人間の脳ってスゴイんだね〜!後半に書いてある手塚治虫、宮崎駿に代表される「天才とはやりすぎてしまう人?」は特にオモシロイよ!オススメ!(^_-)-☆