世界一の職人が教える仕事がおもしろくなる発想法 (青春文庫 お- 31)
- 作者: 岡野雅行
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2008/02/09
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
針穴の直径が0.08ミリという世界一細い「痛くない注射針」の量産化や、携帯電話の小型化に貢献したリチウムイオン電池ケースにより、「世界一の職人」として知られる。これまで家電、パソコン機器、医療機器など多くの金型をつくる。その功績から2004年旭日雙光章を受章、いまも現役である。彼の言葉は含蓄深いなあ…。
・うちでは、同じことは3年以上やらない。値段が下がり始めた頃には別のことをしている。特許は個人で取っても潰されるだけだから必ず企業と連名で取る。
・常に、誰もまだやったことのない未知の世界に挑戦している。だから、考えるのが楽しくて仕方がない。
いくつになっても守りに入るのはごめんだ。誰もやらない本物で勝負したい。
・「出来る可能性が六割あれば引き受ける」と俺はよく言う。出来ると思うから引き受ける。むしろ、もっと難しいものをやらせてlくれないかな、と思っているぐらいなんだ。ひとつの挑戦が終わったら、次の段階、また次の段階と、どんどん先が見えてくる。いつでもこれで終わりってことはないんだ。
・俺は図面なんて持たない。あるのは胸ポケットに入ってた、切れっぱしのメモだけだ。あれこれ図面があったってうまくいかなきゃしょうがない。ジャズみたいに最初のきっかけさえあれば、あとは全部アドリブでやっちゃう。
「気持ちは図面に書けない」。皆さんの仕事だって、マニュアルには書けない部分こそが、他人に出来ない、あなただけの発想が生きるところなんじゃないかな。
・いつも『最高のもの』、『一流のもの』を見ようという姿勢を持っていると、発想のヒントが得られる。贅沢をしろと言っているんじゃないよ。背広でも靴でも時計でもシャツでも最高のものを知っているのと知らないのでは、仕事のアイデアの広がり方が違う。最高のレベルが頭に入っていないとだめなんだ。
どんな分野でも、最高のものを知っておけば、自分の手がける仕事の質が変わってくるんだよ。
・俺は相手がどんな大企業だろうと、企業の名前では仕事は請けない。仕事を依頼しに来た担当者本人を「この人は信頼できる人間か」という目で見て、決める。その信頼関係をベースにお金のことも進めていく。
・人にかわいがられる要素をもっていることは、仕事の勝敗を決める重要な要素なんだ。俺は、自分が知らないことをいろいろと知っている人をかわいがりたくなる。
・うちの会社では、社員が誰かひとり休むと、残りの社員みんなで旨いものを食いに行っちゃうんだ。翌日その休んだ社員が残念がることしきりだ。会社なんてそれぐらいにユーモアがなきゃだめ。仕事と洒落っ気や遊びは、くっついているから楽しいんだよ。そういう発想で楽しそうに仕事をしていれば、人も情報も寄ってくるから、結果が出せるようになるってわけだ。
・いいものは、自分だけで独占したいと思っていてはダメだ。自分が「ここの料理はなんて旨いんだろう」と思ったら、「今度はみんなと一緒に行こう。教えてやろう」という姿勢が大事だ。
なんかいいよね!生粋の江戸っ子ってカンジ。こんなオヤジがいる会社っていいなあ。(^◇^)