「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜トップの人たちの「顔」とは?…『一流の顔』

一流の顔 (幻冬舎文庫)

一流の顔 (幻冬舎文庫)

著者はテレビが白黒の時代から、俳優、タレント、政財界人、文化人などNHK出演者を中心に10万人を超える人にメークをしてきたプロ。(^◇^)今でいうとikkoさんの大先輩っていうカンジかな。

これまで本とは異なった角度で一流の人を分析しているのがオモシロイ。(^^♪つまりは、世の中で成功する人達は自分の見せ方を知っているということだ。あなたにとって「顔」とは何か?是非、自分の姿を鏡に映しながら読んで見て欲しい。


手塚治虫さんの鼻は素晴らしい。手塚さんは私が創造していた通り、温かい雰囲気の顔だった。普通、人の顔を見るとき、最初に見るのは目である。ところが手塚さんの場合は鼻だ。この鼻が素晴らしい。まん丸で、温かそうで、嫌なことを皆ハッピーにしてくれそうな鼻だった。


三木のり平さんの変身スイッチは1本のアイラインだった。「僕はいつでもお笑いの三木のり平じゃないんだよ。この鉛筆でね、そっと線を1本入れると気持ちが切り替わるの。これをしないと気持ちが入らないだな」、とおっしゃった。「化粧はね、ベタベタやればいいってものじゃなくて、いかに心を切り替えるかなんだ。そういう意味で、美粧室は僕にとって大切な場所なんだよな」


桃井かおりさんの顔は演技同様、自然のままがいい。もし顔をつくりこむと、動きや言葉もそれに合わせなければならない。せっかくの自然体が崩れてしまう。人というのは面白いもので、二枚目顔につくると振る舞いも二枚目的になる。顔を無垢にしておけば、桃井さんからどんな演技が出ても、どんな言葉が発せられても違和感がない。逆にいえば桃井さんには、人にはないさまざまな引き出しがあるということだ。見る方もいろんな桃井かおりを期待する。


渥美清さんの顔は、欠点を集めたような顔である。しかし、欠点を集めたような顔の渥美さんを嫌う人はいない。渥美清といえば「寅さん」だ。ごついのに温かい渥美さんの顔が頭に浮かんでくる。渥美さんの顔は人を「ほっとさせる顔」だ


秋吉久美子さん、ある時こんなことがあった。「ここでこの演技をしたら、話の最後とつながりませんよね」、と秋吉さんが演技の変更を主張していた。なるほど、結論から遡っていくと、途中が見えてくる。俳優の中にはその場その場の演技をする人もいるが、秋吉さんは全体がよくつかめている人だった。全体の流れからポイントを押え、メリハリのある演技ができるのが秋吉さんである。


話の上手いトップキャスターは、顔の表情をつくるのも上手い。ニュース番組では内容に合わせて表情を切り替えている。一時間の番組の中で、殺人事件から心温まるニュースまで伝える。「さて、次のニュースは」この言葉の一呼吸前で表情を変えている。NHKのキャスターで表情を作るのが上手いのは、磯村尚徳さんや、松平定知さん、山川静夫さん、鈴木健二さんらがあげられる。たまには、顔の表情と共に話を伝えてみるのもいい。相手に心を伝えるのは言葉だけではないのだから。


田中角栄さんは初対面の時から私が魅力を感じた数少ない政治家だ。角栄さんの顔は政財界にはないタイプで、情にもろそうな人間味を感じ好感を持った。精力絶倫、「仕事は何でもやったるぜー」風のドラマの時には、角栄さんの顔をぜひ参考にしよう、そう思うほどエネルギッシュな人だった。


黒柳徹子さんほど人の心を引きつける不思議な魅力を持った人はいない。いったい何が人の心をくすぐるのだろうか?エラの張った顔、鳥がさえずつているようなにぎやかな声色、回転数の速い楽しいしゃべり。黒柳さんがいなくなったら私の楽しみが1つ減る。やはり黒柳さんの最大の魅力は声だと思う。声があっての黒柳さんだ。


・堂々と服装に個性を出していたのが本田宗一郎さんだ。NHKに出演された社長の中で、色物のシャツを着たのはおそらく本田さんだけだったと思う。ある日、本田さんが突然約束なしに美粧室にきた。革ジャンにジーンズ姿で、脇にはヘルメットを抱えていた。「突然どうされたんですか?」「雑誌の取材でこういう格好をしようと思うんですけど、どうですか?――おしゃれを楽しむと人生の幅が広がるんだよ」。私が本田さんから教わったことである。


吉永小百合さんは考えることが好きな人だ。「どうしたらいいと思いますか」と聞いてくる人が多い中で、吉永さんは「私はこう思うのだけれど、岡野さんはどう思いますか」と質問される。必ず自分で考えてからこちらに質問を振ってくるのだ。女優はただ美しくあればトップに立てるわけではない。吉永さんの魅力は美しさの向こうにある生き方そのものではないだろうか。自己コントロールや企画までこなす"考える力"が女優吉永小百合を支えているのである。


・山野美容短期大学副学長で香粧品化学を担当されている内堀毅教授に面白い話を教えていただいた。「香水は臭い香りを一滴混ぜると、他の香りを引き立てて素晴らしく良い香りができるんです。良い香りばかりを集めても良い香りはできないんですよ」。人の魅力も同じだ。


なるほど〜!毎日のように人前で、セミナーやトレーニングをしている私は、さすがにメイクはしないが、服装やネクタイや時計やカフスなども似たような働きがあるな〜!と思った。歌を歌うときと同じようにステージを意識している。(^^♪


あとがきのメッセージが印象的だ。「人生には大小さまざまな舞台が待っている。メークや扮装をすることは一部の特別な人達だけのものではなく、あなた自身が人生の舞台でスポットライトを浴びるためのものだ。また、ただ単に美しく格好よくするだけのものではなく、あなたを活かす演出方法なのだということがこの本から伝われば幸いである」