『野球は芸術だ。そしてバッティングはあらゆるスポーツの数ある技術のうち、もっとも難しい技術なのだ。』(大リーグ最後の4割打者 テッド・ウイリアムス)
彼は、近代野球でもっとも優れた打者で、もっとも精緻な打撃理論を作り上げた打撃の天才。レッドソックスでデビューした1939年いきなり3割2分7厘、31ホーマー、145打点とい驚くべき新人だった。その後朝鮮戦争の二度の兵役で5年間ものブランクがあるにもかかわらず40歳での獲得を含め6度の首位打者に輝いた。初めて首位打者になった41年の打率4割6厘は大リーグ史上最後の四割打者の記録である。三冠王も2回獲得している。
天性の打撃センスに加え、ウイリアムスは投球の観察に異常な熱意を見せた。試合ではナインのいすべてに『打った球はどんな球種で、ストライク・ゾーンのどこにきたのか』としつこく訊ねるのが常だった。ほとんどの打者が反射的に打つだけだから『わからん、良い球だから打っただけだ』と答えると『…どんな球かわからず打つとは…。考えて打つのがバッティングだ!』と苛立った。
彼は自分の打席のすべての投球を記憶していた。それをノートにつけ打撃研究のデータにした。
引退後には19年間の通算打率3割4分4厘、521ホーマーした7706打席全ての球を図解して驚かせた。
自分のストライクゾーンには横に7球、縦に11球の合計77球のボールが入り、これが打つべき球になる。その77球ごとにそれぞれに自分の通算打率を出したのだ。
ウイリアムスは『投手はたとえ練習相手でも、打者である自分の敵だ』と信じていた。新人時代にウイリアムスから指導を受けた、元巨人のレジー・スミスは言う 『投手などというのは人間ではない。それほど彼らを敵視していた。ウイリアムスが歩いていくと同じチームのレッドソックスの投手たちまでおびえてしまう。すでに引退して6年にもなり、長い間勝負の場から離れていたのに、いまだに投手を震え上がらす、見えない光のような力を発散していた。全ての投手が彼の前ではネコににらまれたネズミになった。』
投球を厳しく見分け、ボールは絶対打たなかった。だから審判もウイリアムスが見逃せば『ボール』と判定するしかなかった。彼の視力も伝説的だ。ある選手は、『彼には、投手の手から球が離れた瞬間、ボールに押された公認球の印のリーグ会長のサインが見えるのだ。』
…すごすぎ!(+o+) トップ中のトップは凡人とは違うね〜。
マリナーズのイチローを現在見ることが出来る私たちは幸せだね。(^^♪