なんか、最近、ミステリーというか、ファンタジーというか、そういう本が多いなあ。なんでだろう。なにせ人生が一番の、そして最高のミステリーだからなあ!(笑)
「一般社団法人日本児童文芸家協会が選定する第42回児童文芸新人賞受賞作品。夏休み、麻子は祖母の家のうらの森に足を踏みいれた。行っちゃいけないといわれていた森だった。太陽はしずんだけれど、まだ明るい。ハスにおおわれた池で花をつもうとした麻子の前に、突然少女があらわれる。少女との出会いによって、麻子がそれまで知らなかったことがつぎつぎと明らかになって……。(第二話「白い月」) 逢魔が時に子どもたちの周囲で起こる五つの不思議なものがたり」そのエッセンスを紹介しよう。
・ぼんやりと明るさの残る夕暮れ。昼と夜とが、じわりと入れかわっていう。人が“逢魔が時”と呼ぶ時刻。こんな昼と夜とのすきまの時間には、たまに、あちらの子どもがすべり込んでくるのだ。まあ、こちらで楽しく暮らすもよし。あちらの世界をまっとうするもよし。手をふる水の娘に、ハスの葉をちょっと上げてあいさつを返し、ほい、カエルども、わたしらも行くとしようのんびりと。まったく、いいお日和で。ひゅっひゅっ。
・「おい、待て。鬼の道が開くぞ。こんな逢魔が時にまよいこんで、二度と帰ってこられなくなるぞ」まだ、明るい。だから、子どもは油断して遊びに行く。すると、いつのまにか、知らない道に入り、二度と帰ってこられなくなる。昼と夜のすきまの時間には、いつもは目に見えない道が開き、そこにまよいこむのだ。「そんなのあるわけないじゃん」洋介は門を走り抜けた。
・「月をみがいてたんだ。」「月?」「そう、月。でも、空じゃないよ。池にあるの。ね、ふねに乗ろうよ」
・「姉の名は月子。つきこっていいにくくて、自分のことを、きこってよんでた。あんた、あの子に会ったんだね……」
・「わたし、目が使えないんです。一生に一度でいい。娘の花嫁姿を見てみたい」
「赤い花」「白い月」「放課後は雨」「ぬけ道」「のぞき窓」全五編。いいなあ。ファンタジーだなあ。作者は、夢の中にこれを見たのかなあ。オススメです。(^^)