新潟で6年、小田原で16年、それから川崎、大宮などいろいろと転勤で引っ越して2回目の横浜で27年。たまに小田原に帰ると懐かしさがよみがえる。若い頃は、こんな狭い街を出たい、出てやる〜〜!と思ったけど、自分の青春時代を過ごした街、育ててくれた街。感慨深くなる。(・∀・)
さて、この本。そんなワタシにはとても響いた本。
「不動産会社の支店で店長の遼は、故郷にある店舗に一時的に赴任する。閉塞的な土地柄や何事にもいい加減な家族を嫌っていたが、友人の結婚問題や、父親の退職にまつわるトラブルなどを経て、見方が変わっていく。そして遼自身も自分を見つめ直してゆく。共感度抜群のエピソードがちりばめられた、青年の成長物語」そのエッセンスを紹介しよう。
・風が吹いたのか、チョコレートの甘い匂いが鼻をついた。「 故郷を愛している」と言った。沙知の後輩。彼の「故郷」 ってどこなんだろうと、ふと考えた。 ここよりはずっと都会なのだろうか。 それともテナントが入らない駅ビルや、寂れた商店街、 刺身を食べながら嗅ぐチョコレートの甘い匂いーそういうものを「 侘しい」とか「虚しい」ではなくて、キラキラした目で「 愛している」と言える、その後輩の懐が大きいのか。
・「昔の彼女と再会しちゃったりなんかしてたりして」沙知の、 昨日の言葉が頭に浮かんだ。やばい。俺、酔っている。 酒が強くないのは、沙知だけじゃない。俺もだ。 酔うとちょっとおかしくなるというか、テンションが上がる。 性的な意味で。
「その美人さんの親友みたいな、 しっかりした女の子と付き合いなさいよ」
付き合っていた。高校のとき、堀田の親友の聡子と。
・デートやキスや、それ以上のことも、 全部初体験させてもらった聡子との、十年ぶりの再会だ。 どんな顔をすればいいんだ?どんな会話を交わせばいいんだ?
いいなあ。工場の匂い、お菓子の匂い。ワタシの母校には忘れられない「あの臭い」!(笑)昔の好きだったヒトに再会するとロマンスが起こるよね。オススメです。(・∀・)