「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「チョコレートの町」(飛鳥井千砂)

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新潟で6年、小田原で16年、それから川崎、大宮などいろいろと転勤で引っ越して2回目の横浜で27年。たまに小田原に帰ると懐かしさがよみがえる。若い頃は、こんな狭い街を出たい、出てやる〜〜!と思ったけど、自分の青春時代を過ごした街、育ててくれた街。感慨深くなる。(・∀・)
 
さて、この本。そんなワタシにはとても響いた本。
「不動産会社の支店で店長の遼は、故郷にある店舗に一時的に赴任する。閉塞的な土地柄や何事にもいい加減な家族を嫌っていたが、友人の結婚問題や、父親の退職にまつわるトラブルなどを経て、見方が変わっていく。そして遼自身も自分を見つめ直してゆく。共感度抜群のエピソードがちりばめられた、青年の成長物語」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・風が吹いたのか、チョコレートの甘い匂いが鼻をついた。故郷を愛している」と言った。沙知の後輩。彼の「故郷」ってどこなんだろうと、ふと考えた。ここよりはずっと都会なのだろうか。それともテナントが入らない駅ビルや、寂れた商店街、刺身を食べながら嗅ぐチョコレートの甘い匂いーそういうものを侘しい」とか「虚しい」ではなくて、キラキラした目で「愛している」と言える、その後輩の懐が大きいのか。
 
「昔の彼女と再会しちゃったりなんかしてたりして」沙知の、昨日の言葉が頭に浮かんだ。やばい。俺、酔っている。酒が強くないのは、沙知だけじゃない。俺もだ。酔うとちょっとおかしくなるというか、テンションが上がる。性的な意味で。
「その美人さんの親友みたいな、しっかりした女の子と付き合いなさいよ」
付き合っていた。高校のとき、堀田の親友の聡子と。
 
デートやキスや、それ以上のことも、全部初体験させてもらった聡子との、十年ぶりの再会だ。どんな顔をすればいいんだ?どんな会話を交わせばいいんだ?
 
いいなあ。工場の匂い、お菓子の匂い。ワタシの母校には忘れられない「あの臭い」!(笑)昔の好きだったヒトに再会するとロマンスが起こるよね。オススメです。(・∀・)

 

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