深層「空白の一日」 (ベースボール・マガジン社新書 (012))
- 作者: 坂井保之
- 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
- 発売日: 2008/07
- メディア: 新書
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題して、『桑原正守のOPEN YOUR LIFE』
毎週日曜日 朝7:00〜7:25 TOKYO FM 80.0MHZ(関東エリアで受信可能)
http://www.tfm.co.jp/open/
さて、女性の方、野球があまり好きじゃない人、ごめんね…。またも野球ネタ。そう、野球が大好きだ。(^◇^) 特に今シーズンは我がジャイアンツが最大13ゲーム差をひっくり返そうとしているセ・リーグ。尊敬するソフトバンクホークスの王貞治監督の勇退したが、就任一年目の渡辺久信監督率いる西武ライオンズが優勝し充実しているパ・リーグ。目が離せないよね〜!(^◇^)
今は昔、プロ野球界を揺るがした1978年11月21日の江川事件。いわゆる「空白の一日」。読売ジャイアンツが、江川卓とドラフト会議の前日に突然契約を結んだ事件だ。
この本は当時のクラウンライターライオンズ球団代表、そして身売りした西武ライオンズを歴任し、「空白の1日」を現場で体験した著者が、事件を再検証し、そこから今なお球界の体質を劣化させつつある、巨人軍の「負の遺伝子」を追究する。その真相と深層を探り、現在のプロ野球界にはびこっている問題をえぐった問題作なのだ。
この事件をなんとなく知っていたのだがこの本でその背景と全貌が明らかになった。つまりはこういうことだ。
・江川の出身高校の作新学院理事長・衆議院議員の船田中氏が江川の後見人という形で記者会見を開いた。「江川卓くんは巨人入りを強く希望している。よって他球団は、来るべきドラフトで、江川君の使命を遠慮していただきたい。他球団に指名されたら、二浪でも三浪でもして巨人入りを待つ」
・前年のドラフトで得たクラウンライターライオンズが持っている単独交渉権は、前々日の11月20日いっぱいは効力があるが、翌日11月21日は期限切れで効力がないという規定だ。これは巨人によれば、野球協約上「ドラフト会議の前日」に契約を結んでもそれは「有効」だ、という論理だった。まさに協約の穴をついた言い分だった。
そして巨人はドラフト会議をボイコット。阪神が江川を指名するのだが、「ドラフトは12球団が揃って成り立つ」と協約に書いてある。したがって、このドラフトは無効だ、とまた駄々をこねるのだ。しかも思い通りにならなければ、セ・リーグ脱退をにおわす戦略…。(ーー゛)
結果として江川は阪神から小林繁投手とトレードされ巨人入りすることになったのはご存じのとおり。
これは今に始まったことではない。古くは1リーグ時代に南海の別所毅彦を獲り、(これが2リーグ分裂のきっかけをつくったともいわれる)、中日から落合博満を獲り、日ハムから小笠原道大を、ヤクルトからラミレスを獲り…。この暗黙の支配力!これこそ「空白の一日」を境に世に蔓延したG−DNAの本体だった。
前半は、この江川問題について、そして後半の「プロ野球ははたしてビジネスたり得るか」というプロ野球論は経営者の立場から見ていて、そして球界の未来についての展望は面白いよ!なんだかんだ言っても私は江川も好きだし、プロ野球が好きだし、ジャイアンツが好きなんだけどね…。(^^ゞ
ウィキペディア 江川事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E5%B7%9D%E4%BA%8B%E4%BB%B6