「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜短編推理の傑作!…『黒後家蜘蛛の会』(アイザック・アシモフ

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)

またまた面白い本を紹介していただきました。(^v^)アイザック・アシモフの本を読んだの初めて。黒後家蜘蛛の会(くろごけぐものかい、the Black Widowers)』って変わった名前でしょう?


ニューヨークのミラノ・レストランで月1回、黒後家蜘蛛の会という名の例会が行われる。メンバーは化学者、数学者、弁護士、画家、作家、暗号専門家などなどそうそうたるメンバー。毎回参加者の1人がホストを務め、ホスト役のメンバーが呼んだ1名のゲストが参加する。そこでは常に、初老の男ヘンリーが給仕につく。メンバーは、食事をしながら四方山話をするのだが、それが事件だったり、謎だったり、不可解な出来事だったり、ラジバンダリ…。(^^ゞ(お笑いコンビ・ダブルダッチ風に)


メンバーはそれぞれの専門知識を活用してその謎を推理するのだが、結論は出ない。袋小路に陥る段階の一歩手前で、その会話を聞いていた給仕のヘンリーが鋭く真相を言い当てるというパターン。このどんでん返しのやりとりがスカッとする!しかもヘンリーの物腰の低さが好感が持てるのだ。

『ひとこと、よろしゅうございますか、皆様。わたくし、思いますのに〜』という感じなのだ。


例えば、「贋物のPh」という話を紹介しよう。


今日のゲストは、ベリー大学の助教授。昔話の中で、おちこぼれのランス・ファロンというお金持ちのボンボン学生が、突然試験で97点を取り、学位をとった。あれは絶対カンニングだった、あの学位は無効だったという。担当のセント・ジョージ教授はとても厳しく学生を落とすことに喜びを感じていて、しかも決して80点以上つけないことで有名だった。
しかし、カンニングの証拠はない。ランスはほとんど勉強をしなかったので、いざという時に実力を発揮したともおもえない。答案を見ても間違いなく彼の筆跡で、文章も彼のものだった。しかも数年前に起きたカンニング事件により、試験問題の漏えいもありえない…。そして給仕のヘンリーがいう。『ひとこと、よろしゅうございますか、皆様…』さてヘンリーの推理とは…。


さあ、皆さん、どう推理します?面白そうでしょ!翻訳ものなのでちょっと文体が読みにくいかもしれないけどオススメよ!