「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「海からの贈物」(アン・モロウ・リンドバーグ 吉田健一訳)

「朝6読書会」で紹介された本。へー!あのリンドバーグの奥様がこんなエッセイを書いていたのは!!!(=^・^=)

 

有名飛行家の妻として、そして自らも女性飛行家の草分けとして活躍した著者が、離島に滞在し、女の幸せについて考える。現代女性必読の書」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・ここに書いたのは、私自身の生活のあり方、またその私自身の生活や、仕事や、 付き合いの釣り合いの取り方に就いて考えてみるために始めたものである。そして私はものを考える時は鉛筆を手に持っていたほうがいいので、いつの間にか書き出した。そんなふうにして、私の考えが紙の上で形を取始めたのであるが、初めのうちは、私は自分が経験したことが他の人のとは違っているという気がしていた(私たちは皆そういう感じを持っているのだろうか)。というのは、私は或る意味では他の人たちよりも自由な、そしてまた或る意味ではもっとずっと不自由な境遇に置かれていたからである。

そういう訳で、いろいろな女や男の人たちの話や、議論や、告白から得た材料が以下の幾つかの文章に加えられていくうちに、それはもう私だけの個人的な話ではなくなり、私はこれを、そこに書いてあることの多くを私と分け合い、またそれを暗示してくれた人たちにお返しすることにした。それで私はここに、私と同じ線にを海に返す。 沿ってものを考えている人たちに対する感謝と友情を添えて、海から受取ったものを海に返す。
 
・私が手に持っている貝殻の中は空である。それはかつてはほら貝という蝸牛(かたつむり)のような格好をした動物の家だったので、これが死んでから暫くは小さなやどかりの住居になり、このやどかりは砂の上に細い蔓が伸びているのに似た跡を残して逃げて行き、私にこの貝殻を残したのである。
 
これはそれまではやどかりの体を保護していて、私は貝殻を裏返し、その大きな入口を見る。やどかりはそこから逃げ出した貝殻を背負って歩くのが厄介になったのだろうか。なぜこの貝殻から逃げたのだろう。もっといい家が、もっといい生活の仕方があると思ったのだろうか。 そう言えば、私も何週間かの休暇の間、私の生活の殻から抜け出て逃げて来たのである。 しかしやどかりが住んでいた貝殻は簡単なものであり、無駄なものは何もない。
 
 
浜辺での生活で第一に覚えることは、不必要なものを捨てるということである。 どれだけ少ないものでやって行けるかで、どれだけ多くでではない。それは先ず身の回りのことから始まって、不思議なことに、それが他のことにも拡がって行く。
 
最初に着物で、勿論、浜辺で日光を浴びていれば着物の数は少なくてすむが、それは別としても着物をそう何枚も持っていなくてもいいことに、ここに来て急に気が付く。箪笥一杯ではなくて、鞄一つに入るだけあればいいのである。そしてこれはなんと有難いことだろうか。直したり、繕ったりする面倒が省けて、そしてそれよりも助かるのは、何を着るかということで頭を悩まさずにすむことである。そして着物の面倒がなくなるのは、同時に、虚栄心を捨てることでもあることが解る。
 
・その次は、自分の住居である。家具もなるべく少なくして、必要なものはほんの少ししかない。そして私はこの貝殻に過ぎない私の家に、 私が本当に何も隠さずに話せる友達だけを呼ぶことにする私は交際上の偽善ということも捨て始めているのである。そしてそれでどれほど私の気が楽になることだろう。私は、生きて行く上で一番疲れることの一つは、体面を繕うことだということを知っている。それだから、社交というものがあれほど私たちを疲れさせるので、 それは私たちが仮面を被っているからである。そして今、私はその仮面を捨てたのである。ここにいると、アメリカ北部では冬になくてはならないと思っていたいろいろなものがなくても、少しも不自由しないで暮せることが解る。
 
いいなあ。現代でいう、断捨離だね。海に行きたくなりました。オススメです。(=^・^=)