「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「花屋さんが言うことには」(山本幸久)

長期出張のときに、妻が「お花があるといいわよ」というアドバイスがあったので、さっそく買ってきた。結局、時間が過ごすのが長いオフィス兼キッチンのカウンターに置いたんだけど、確かにパーっと明るくなるよね〜!♪

 

さてこの本は、お花屋さんが舞台。「24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。
やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていく。花を求めるお客さんの事情はそれぞれ。誰かを祝う花もあれば、少し切ない花もある。いろんな想いが詰まったお花を届けているうちに、紀久子は自分の心にもう一度向き合いはじめ――」そのエッセンスを紹介しよう。

 

・「俺がいないのがフツーだからなあ。たまに帰ると五歳の子が、おかえりなさいじゃなくて、いらっしゃいませって言うんだぜ。はは。ウケるでしょ」
全然ウケない。
 
「紫陽花や昨日の誠今日の嘘」(正岡子規は「アジサイの色が日々変わるように、ひとの心も昨日と今日では違うってことよ」
 
・「キクちゃんがきてくれたおかげで、だいぶ助かっているわよ。なによりいいのは花屋に憧れていないといころね」「どういう意味ですか」「要するに花屋さんという職業に幻想を抱いちゃってるのね。好きな花に囲まれて、華やかで美しい仕事だと勘違いしてるわけ。いくつもの花桶を運んだり洗ったりするだけで、音を上げて逃げ出しちゃうんだ」
 
・「寺山修司の短歌であるじゃない。帽子を振る少年がヒマワリみたいだったっていう」「逆ですよ、逆。列車にて遠くに見ている向日葵は少年のふる帽子のごとしヒマワリが帽子を振る少年みたいに見えたんです」
 
・泰山木 →  前途洋々
・ヒマワリ3本 →  愛の告白
・菊 → あなたはとても素晴らしい友達
クリスマスローズ →  私の不安を和らげて
ミモザ →  友情、そして、秘密の恋
・桜 →  私を忘れないで
・スズラン →  ふたたび幸せが訪れる
・赤いカーネーション →  母への愛、純粋な愛、真実の愛
 
まるでほしおさなえさんの活版印刷日月堂』などのシリーズを彷彿させる。そのテーマの背景やうんちくを語りながら物語が進んでいく。いいねえ。このシリーズ!最後の花言葉でしめくくるのがいい。d( ̄  ̄)イイ!オススメです。(^ω^)