「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「日本フォーク私的大全」(なぎら健壱)

 


日本フォーク私的大全 (ちくま文庫)


「酒場のギター弾き」のワタシの最も得意なジャンルはフォークソングだ。おそらく昭和のフォークは、ほとんど弾き語れると思う。年代的にはワタシより少し上の世代だろうけど、遡って聞いていたからねー!(・∀・)


さてこの本はそのフォークの歴史をなぎら健壱が綴る。「60年代末から70年代にかけて吹き荒れた日本フォークの嵐。思いをぶつけるような、ドロ臭くて新しい「唄」にショックを受けた少年は、そのただ中に飛び込んだ。奇妙で愛すべきミュージシャンたち、音楽とビジネスの相克、変転する時代。笑いに彩られた、貴重な体験的フォーク史」そのエッセンスを紹介しよう。


・そんな時代に僕はフォーク・ソングと共にいた。青春時代と呼ばれる時期があるなら、僕はその時代をフォーク・ソングとともに過ごした。そしてあの時代を共に生きて、その真直中にいて良かったと思っている。当時を過ごした多くのフォーク・シンガーが、同じことを思っているのではないだろうか?どうですか、そんな時代の話と、少しばかり付き合って下さいな……。


・当時の『新譜ジャーナル』に「フォーク界酒豪ベスト3」で一位が高田渡、二位に友川かずき、三位が僕(なぎら健壱)だったが、これがフォーク界の三大飲ん兵衛というわけだ。この三人が一緒になったコンサートで、渡ちゃんは、もう先に入っていて、すでに酒を飲んでいた。驚いて「渡ちゃん、ずいぶん早くからだけど大丈夫?」といったら「大丈夫、わかってるヨ」なんていっていた。そして友川かずきが一時間ぐらい遅れて、真っ青な顔をして楽屋入りして来た。「どうしたの?」と訊くと、あの独特の秋田訛りのの口調で「東京から夜行で帰ってきたんですけど、飲みすぎて列車の中で血を吐いてしまいました」という。普通、血を吐くまで飲まないよ。「大丈夫なのかい?」と友川に訊くと「少し飲めば治ります」との返事。とにかくとんでもない奴らである。


・ギターを酔って電車に忘れたのが高田渡。持っていくのを忘れたのはなぎら健壱。ギターをライブ・ハウスにキープしているのが友川かずきである。



友川かずきは、ギターの弾き方が泉谷に並ぶほど激しい弾き方である。そんな弾き方をすれば当然チューニングがすぐに狂ってしまう。しかし彼はそんなことは意に介せず、ほっとチューナーをいじるだけで、明らかにチューニングが狂っているにも関わらず、そのまま平然と弾き始める。無頓着というかなんというか、プロには珍しい存在である。楽屋で一緒の出演者に「すみません、チューニングをお願いします」といっている人間は、僕は友川しか知らない。


・陽水はフォークでもなくロックでもなく、かといって歌謡曲でもない音楽を提供してきた。それを一括りにポップスと言ってしまえばそれまでだが、それなら陽水のようなポップスがかつて日本の音楽界に存在しただろうか?否、やはり陽水の音楽は叙情的な詞、美しいロディ、そして卓越した歌唱力が渾然一体となり生まれたものであり、彼独自の音楽なのである、まさに陽水は、ニューミュージック、新しい音楽であり、ニューミュージックは陽水の存在によって育まれてきたのである。やはり陽水の音楽はそういった意味では、ニューミュージックそのものであったといっていいだろう。



「大・ダイジェスト版・三億円強奪事件の唄」(高田渡は、名曲だよねー!♪
https://www.youtube.com/watch?v=jP8AYVwO9H8


高石ともや」「岡林信康」「五つの赤い風船」「高田渡」「遠藤賢司」「加川良」「三上寛」「斉藤哲夫」「吉田拓郎」「武蔵野たんぽぽ団」「RCサクセション」「泉谷しげる」「もんたよしのり」「友川かずき」「井上陽水」「なぎら健壱など。


やっぱりフォークはいいなあ。友川いいなあ!ライブに行きたいなあ。フォーク好き必読。オススメです。(・∀・)


 


日本フォーク私的大全 (ちくま文庫)