「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「お寺さん崩壊」(水月昭道)


お寺さん崩壊 (新潮新書)


そおかあ……最近ぶっちゃけ寺も終わったしなあ……ついに「お坊さん」まで「崩壊」しちゃうのかなあ……。


「「坊主丸もうけ」なんて、大ウソ!坐禅すれども、念仏すれども、我が暮らし楽にならず・・・・・今、日本のお寺が危ない! 過疎化や仏教離れで檀家が激減、門を閉ざす寺院が続出している。「もう寺だけでは食べていけない」と嘆く兼業住職、金持ち寺院に出稼ぎに行く僧侶など、その現状は「坊主丸もうけ」とは縁遠い話ばかり。ズバリお坊さんの収入は?院号はなぜ高いのか?檀家さんに知られたくないお坊さんの本音とは? 話題作高学歴ワーキングプアの著者にして地方寺院の住職がぶっちゃける、お寺さんの不都合な真実」そのエッセンスを紹介しよう。



・全国各地の消滅寸前寺院は、約36%(およそ6万法人)。寺だけでは食べていけないため、サラリーマンをしているというのは、一般的な寺院ではごく普通のことだ。かくいう私も、実家の小さな寺には老住職がいる。彼は少ない年金とお布施をわずかにいただきながら慎ましやかな暮らしをしている。よって私も、ずっと外で仕事をしている次第で……極論すれば、寺とはそこで食べていくーいけるような(収入を得る)ところではなく、仏教的(本質的)にも、ビジネス的(実質的)にも「修練道場」なんでございます。そうした自覚と覚悟が無ければ、到底やっていけないのが全国大多数の寺院の実態でもある。


・寺院の収入源の二大柱

1 葬儀・法事・法要・(お布施)
2 年会費(護持費)

→ その分岐点は、業界では300軒が目安だと言われている。300軒あるとお布施による年間収入で概ね900万円ほど。それに年会費が加わると約1200万円の収入。これが一事業法人の収入となる。それで成り立つのは従業員がせいぜい一人、アルバイト一人くらいの規模まででその場合でも社長はほとんど給与がないはずである。会社のやりくりはもとより養育費や教育費はどうやって捻出したらよいのか、日々悩まされる。


・それ以外の収入源は、

1 墓石販売
2 納骨堂加入者からの収入
3 駐車場経営


・ウチの年間の総収入は450万円弱。そこから光熱費、庭の管理費用、営繕費、法要に関する諸経費、接待費(多額の慶弔費)、お手伝いに来られた方々への謝礼、交通費や安全、防犯対策費、書籍や聖典の購入費、通信費、お衣代(お坊さんの衣装は正絹でその金額は絶望的なまでに高い。クリーニング等の維持管理費用もかかる)、お荘厳関連費目代(仏さま周りの飾りつけなど、お香にお花、お菓子に果物)などを差し引くと残りは200万円ほど。月給になおすと17万円程度。そこから所得税などが源泉徴収されるからさらに減る。実質の手取り15万円程度で、一家の食卓を支え、養育費・教育費を出し、生命保険料を捻出し、車のローンを抱え、国民年金や市県民税を納め、国民健康保険料を払いー。当然、寺だけでは食えません。せめて家賃がかからないのが救いか。だからお坊さんは「兼業」することが一般的なのだ。


お寺や僧侶は原点に戻らねばならないー。だが、これが簡単なようで難しい。地方寺院には「理念を無視するような」特殊な権力構造が出来上がっているところだって少なくないからだ。僧侶サイドは、仏事が有する真の魅力や意味について丁寧に語る努力を怠ってきた。それは率直に認めざるを得ない。


その他、「「坊主丸儲け」なんて大ウソ」「寺とお坊さんの未来予想図」「お坊さんのぶっちゃけ本音集」「現代人に届け、仏教!」「それでも私は仏道を歩む」など。



お寺さん崩壊 (新潮新書)