「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「教えない教え」(権藤博)

ジモト、横浜ベイスターズが久しぶりに優勝したのが1998年。その指揮をとったのが権藤博さん。




現役時代には、権藤、権藤、雨、権藤と呼ばれ、1年目に35勝、2年目に30勝で2年連続最多勝を挙げたというトンデモナイ投手。氏が語る教えない教えとは!?そのエッセンスを紹介しよう。



人に「ものを教える」というのは本当に難しい。とかく日本人は「優しい指導」と「甘い指導」を勘違いしている。さらに、「厳しさ」が「イジメ」になってしまっている指導者も多い。できないことをできるまで辛抱強く見守っているのが「優しさ」である。一方、できるまで待つことが出来ず、「また今度」とか「次にやればいいよ」となってしまうのが「甘さ」である。


メジャーリーグマイナーリーグともにコーチングの教えとしてDon't over teach というものがある。「Mr.ゴンドウ。教えてくれるのはありがたい。でも教えられて覚えた技術はすぐに忘れてしまうものなんだ。それとは逆に自分で掴んだコツというのは忘れない。だから私たちコーチは、選手がそのコツを掴むまでじっと見守っていてやらなければいけないんだ」


・Don't over teachという考え方には、もうひとつ理由がある。それはアメリカが訴訟社会であることと無縁ではない。コーチが教えた通りに選手がやって、成績が思うように上がらなければ選手がコーチを訴える可能性があるのだ。


・教え魔という言葉があるが、教えるだけが中間管理職の仕事だと思ったら大間違いだ。コーチは決してペラペラと話す必要はない。逆に私はコーチたちに「コーチは選手たちの“鏡”であれ」と言ってきた。


・私が監督をしていたときに、一番大切にしていた姿勢が「責任はすべて監督である自分にある」ということだった。その結果、選手たちの中に「攻めの姿勢を忘れなければ監督は文句は言わない」という考えが浸透し、プレイにも思い切りが出てくるようになった。


・私が監督をやって日本一になれたのは、選手たちの自主性を育んだ結果だと思っている。ピンチや逆境に強い人間を育てるには、まず組織が変わっていかなければならない。部下に“何かをさせる”時代はもう終わった。部下が自ら動き、“何をすべきなのか”をそれぞれが考えられるようになって初めて強い集団が形づくられる。トップに立つ人間は、部下が動きやすいように、その道しるべをつくってやるだけでいいのだ。


・何事も長続きさせるための一番の理想は、「思い切っても80パーセント」の状態でいることだ。いつも精神的に100パーセントの力を出してしまうと、元の状態に戻るのに多くの時間を要することになる。これを「全国の一歩手前の全力」というのだが、「全力なんだけど、力んだ全力ではない全力」という領域があり、これが80パーセントの状態なのである。決して20パーセント分力を抜くということではない。


「やる気を引き出すのは難しいが、やる気をなくさせるのは実に簡単」である。


はあ〜!もう一度ベイスターズの指揮をとって欲しいなあ。オススメです。(・∀・)