世界一大好きな街、神田神保町。母校・明治大学駿河台校舎があって、楽器屋があって、古本屋街があって、スポーツ用品屋があって、新刊本屋があって、美味しいお店、B級グルメもあって。若い頃から45年くらいのお付き合いがある。毎年10月の後半に神田古本市の時はリュックを担いで掘り出し物の古本を探して買いまくる!というのが恒例だった。そんな頃の気持ちを思い出させてくれたのがこの本。(・∀・)
・「……この世の中で一番、面白い場所がどこだか、知ってるか。 それは、古本屋というところだ」と、親父が僕に言った。まだ、 僕が幼稚園くらいのころだった。なんで、 そんなことをそんな年頃の子供に言ったのか、 いまだによくわからない。本人に聞いても、 忘れてしまっているだろう。しかし、その言葉は、 インプリンティング(刷り込み)というほどではないにしろ、 僕の心の中に強く、残った。どんなにそれは面白いところだろう。 僕が、古本屋というものの存在を知ったのは、それが最初だった。
・本は場所を取る。 これが大学に入って学んだことのひとつだった。ついでに言うと、 実家に送る、という窮余の一策的な方法も、 決して安全ではなかった。まだ大学に入ったばかりで、 手塚治虫の虫コミックスの希少本などを集めていたころ、 それをまとめて段ボール箱で実家に送り、夏休みで帰省してみて、 その大部分を、 祖母が親戚の子供たちにくれてやってしまったことを知ったときの ショックといったらなかった。「だって、あんなマンガ本、 いらないから送ってきたのだとばかり思っていた」と、 言われたときには、もし僕が高血圧だったら、 その場で血管が破裂して倒れてしまっていたのかもしれない。 あわてて親戚中を回って取り返してきた。
・自分の読書ペースからいって、 今後一生のうちに読める本の総量が計算できてしまいそうになる。 一年に200冊は読むとして、残りだいたい50年で一万冊。 すいぶん、あっけないように思えた。なんだ、そんなもんか。 そうなると、どれだけ面白い本に出会えるか、 そっちの方が気になってきた。一万冊しか読めないのなら、 できるだけ、人の読まない、僕だけの本のようなものを読みたい、 そう思った。
いいなあ。古本屋めぐり行きたいなあ。やっぱり唐沢俊一さん、オモシロイわ。オススメです。(・∀・)