「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「つながり過ぎた世界の先に」(マルクス・ガブリエル)

このタイトル、そのとおりだね。今の時代はありとあらゆるものがつながっているよね。つながり過ぎているいるかもしれないよね。東海道線だって湘南新宿ライン」「上野東京ラインになったしね。つながり過ぎたその先には何があるのだろう!?(・∀・)

「新実在論」「新実存主義」「新しい啓蒙」と次々に現代思想を刷新する旗手が、新しい時代のビジョンを示す一冊。そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・COVID-19によるパンデミックにより、世界中が一つの喫緊の問題に取り組まざるを得なくなるという、これまであまり類例のなかった事態が出来(しゅったい)した。人びとが頻繁に行き来する時代ーいわば、人びとが「つながり過ぎた時代」ゆえに起こった災厄に覆われた世界
 
人びと、とくに高齢者が常に感染のリスクに晒され医療が逼迫し、経済活動が制限され、絵画への渡航もままならない。今後の見通しを立てるのが難しく、ともすれば悲観的になってしまうこの状況で、日本人はどのようなビジョンを持ち得るだろうか。
 
・本書でガブリエルは、「つながり」にまつわる三つの問題人とウィルスのつながり」「国と国とのつながり」「個人間のつながり」について自らの見通しを示し、そのうえで倫理資本主義の未来を予見する。
 
COVID-19の蔓延により、おそらく人類史上初めて、世界中で人間の行動の完全な同期化が見られました。すべての人間が、微妙に違うやり方だとはいえ、基本的に同じ行動をとったのです。全員が同時に感染の拡大を防ごうとしたわけです。当初ドイツで起きた最大の変化は、社会の結束が著しく強まったことです。
 
政治的問題というのは、民主主義における、統治のシステムとリーダーシップの有用性がさらにはっきりしたことです。誰が何に責任があるのか、私の権利は何か、私の義務は何か、我々はいかにしてパンデミックと戦うことができるのか、他の天災についてはどうかなどが問われていると述べました。
 
・私はこれまでより遥かに環境に配慮するようになりました。飛行機に乗らなくなりました。6時間の列車の旅に慣れました。ずっとマスクをしていなければなりませんが、電車では仕事ができるし、快適ですよ。個人的にはこの状況を楽しんでいます。ウィルスさえなければ幸せです。驚いたことに、旅行をしたいとも思わないのです。華族と密な時間を過ごし、祖国とじっくり向き合う生活を楽しんでいます。
 
・コロンビアの先住民族であるコギ族がロンドンを訪れたとき。彼らの車がトンネルを通ったとき、彼らは運転手になぜトンネルがあるのですか?」と質問しました。イギリス人の運転手は「より速く目的地に着けるからですよ」と答えた。すると彼らは「そんなばかな。マンチェスターに30分早く着くために山を壊すなんてと行ったのです。できるだけ速く目的地に着くことを効率的と考えるのは間違いではないのか、移動の速度が速すぎるのではないか、と考えさせられます。
 
アメリカ人は文化的に異質なものを理解していると思っていますがアメリカには文化的多様性は存在しないのです。彼らは多様性に非常に弱い。一方、中国人は異なる文化を支配するために、文化的に異質なものを研究することが非常に得意です。彼らは共産主義者なので、異質なものに対する理解を、非倫理的に利用するのです。中国は極めて高いレベルの、大変賢い共産主義者なのです。中国は人種差別的な思想の上に成り立っています。漢民族という概念は非常に人種差別的で、非論理的な概念です。面白いのは、アメリカ人は自分たちが反差別主義者だと信じていますが、実際には差別主義者であり、一方、中国人は明らかに差別主義者であることですこのような二国が接触するとき、激しく対立するわけです。

 

「日本人はなぜ先進国の中で最も孤立しているのか」「人類が最も退歩した点」は特にオモシロイね。オススメです!(・∀・)