「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「おじさんはどう生きるか」(松任谷正隆)

 
ユーミンの旦那、松任谷正隆さん。カー・オブ・ザ・イヤーの委員をやっているんだってね。知らなかった。この本で、へー!ユーミンってフツーに買い物するんだあ!ってあらためて思っったわー!♪(笑)
 
 
「ピンチばかりの毎日に。夫婦の冷戦、うす毛問題、時代とのズレ……迷える日常が楽しく化ける。何度もの赤っ恥体験の末、今こそ綴る “意地を張らずに生きる" ヒントが満載」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
「手土産なんてあげる人のエゴよ」とかみさんは切り捨てる。そうかもしれない。考えているときの高揚感というか妄想の世界はエゴ以外の何物でもないだろう。
 
「63をすぎるとぎーっと音がして最後の扉が開くぞ」。これは宮崎駿さんの言葉だそうだ。プロデューサーの鈴木敏夫さんも言われたらしい、確かに腰のあたりが年寄りになった気がする。
 
東海林修さんという一番の売れっ子のアレンジャーの話。彼はラジカセを2台並べて、譜面を2つ並べ、それぞれに違う曲をかけながら右手ではこちら、左手ではこちらの曲を編曲するのだという。それくらいしないと間に合わないらしい。その話を聞いたとき、僕はこの仕事を続けられる自信が全くなくなった。無理だ。頭の中を2分割にするなんて到底無理。ものすごく落ち込んだ記憶がある。だから受けられる仕事は時間がかかってもいいものだけ。細々とやっているうちに時は過ぎた。40年ほど…。そして数年前、ついに商事さんと話をする機会に恵まれた。もちろん僕が聞きたかったのはその話。「そんなこと出来る訳ないじゃないですか。1台が壊れていたんだと思いますよ」その瞬間、そうだよな、と激しく納得した。
 
・大好きなカメラマンH氏とハワイで写真対決をやることになった。H氏はターゲットをバーガー屋の太ったおばさんに定めた。僕は耳を疑うような言葉を聞いた。「女優さんか、モデルさんですか?あまりにきれいだったものでつい……。あ、僕は日本で有名なカメラマンで、こっちで写真を撮っているのです。モデルエージェントもたくさん知っているので日本にきたらここに連絡してね…」名刺を渡している。太ったおばさんがモデル?女優?エージェント?彼はどこに行ってもそのスタンスを終始崩さず、従ってかなりの確率でナンパに成功していた。嘘、いい顔、暖かい写真、節操。いろいろな言葉が頭の中を交錯する。それでもプロは結果が命だ。そのためには何が何でも突っ込むのだ。たとえ訴えられようが。それが出来ない僕は家で犬でも撮影するしかないらしい。
 
かみさんのリアクションはひどい。冬眠から目覚めた熊に急に出くわした人みたいになったり、外国人のふりをしたり、あの意味不明度といったら、隣にいる僕がびっくりするくらいだ。いったい彼女はどれくらいの人が自分のことを知っていて、どれくらいの人が知らないと思っているのだろう。そしてそれは普段から意識すべき問題なのか、そうではないのか。イメージは人が作るものであり、人は限りなく千差万別。気にしだしたらきりがない。だから何も考えないことよ、というのがとりあえず彼女の結論であるらしい。
 
・作家の川上弘美さんとラジオで会った。ふと彼女の本を読んでみようと思った。しかし読み始めても進まない。ふと気づいた。リズムだ。僕の中のリズムと違うから頭に入らないんだ。これが分かったとき、目から鱗が落ちる音が聞こえた。これを気に彼女の本をトイレに置いて、雑誌に飽きたら見るようにした。トレーニングでなんとかなるかもしれない、と思ったのだ。ラジオの収録から3ヶ月は経っただろうか。ある日、すらすらと読める自分がいた。そして狼狽した。なぜ?どうして?リズムだ。彼女のリズムが移ってしまったのだ。読んでいるうちに、それは僕を蝕み気が付くと同じリズムになっていたのだ。

 

…分かるなあ。リズムが同じか違うかってあるよね。ワタシがカラオケに行かないのは、リズムが違うからだもんね。それだけじゃないけど。オススメです!(・∀・)