酒場のギター弾き 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「手仕事の日本」(柳宗悦)

この本、やっと読むことができました!ワタシの大好きな武者小路実篤志賀直哉らと雑誌『白樺』の発刊に参加した民藝運動の父」と呼ばれる柳宗悦。身に沁みるような深い文章だ。戦前に書いたとは思えないっ!
 

 
「名もなき工人が作る民衆の日用品の美、「民藝」。大正時代半ばから二十年近い歳月をかけて日本各地で手仕事の「用の美」を調査・収集した柳宗悦は、自然と歴史、そして伝統によって生み出される美を探求し続けた。著者がみずからの目で見、選び取った正しい美しさとはなにか。日本文化が世界的に注目される現代、今なお多くの示唆に富む日本民藝案内」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・この一冊は戦時中に描かれました。記してある内容は大体昭和15年前後の日本の手仕事の現状を述べたものであります。戦争は恐らく多くの崩壊を手仕事の上に齎(もた)らしたと思います。それ故私がここに記録したものの中には、終戦後の今日では、既に過去のものとなったものが見出されます。
 
日本は手仕事の日本を更に活かさねばなりませんそれ故この一冊は戦争直前の日本を語ったものではありますが、戦後においてかえって必要とされる案内書となるかと思われます。
 
・貴方がたはとくに考えられたことがあるでしょうか。今も日本が素晴らしい手仕事の国であるということを。確(たしか)に見届けたその事実を広くお報らせするのが、この本の目的であります。西洋では機械の働きが余りに盛で、手仕事の方は衰えてしまいました。しかしそれに偏りすぎてはいろいろの害が現れます。それで各国とも手の技を盛り返そうと努めております。なぜ機械仕事と共に手仕事が必要なのでありましょうか。機械に依らなければ出来ない品物があると共に、機械では生まれないものが数々あるわけであります。機械は世界のものを共通にしてしまう傾きがありますそれに残念なことに、機械はとかく利得のために用いられるので、できる品物が粗末になりがちであります。それに働く人からとかく悦びを奪ってしまいます。
 
日本の固有な美しさを守るために手仕事の歴史を更に育てるべきと思います。その優れた点をよく省み、それを更に高めることこそ吾々の努めだと思います。それには先ずどんな種類の優れた仕事が現にあるのか、またそういうものがどの地方に見いだせるのか、知っておかねばなりません。
 
・元来我国を「手の国」と呼んでもよいくらいだと思います。国民の手の器用さは誰も気附くところであります。「上手」「下手」とかいう言葉は、直ちに手の技を語ります。「手堅い」とか「手並がよい」とか「手柄を立てる」とか「手本にする」とか皆手に因んだ言い方であります。「手腕」があるといえば力量のある意味であります。それ故「腕利」とか「腕揃」などという言葉も現れてきます。それに日本語では「読み手」「書き手」「聞き手」「騎(の)り手」などの如く、ほとんどすべての動詞に「手」の字を添えて、人の働きを示しますがから、手に因む大変な数に上がります。
 
・抑(そもそ)も手が機械と異る点は、それがいつも直接に心と繋がれていることであります。機械には心がありません。これが手仕事に不思議な働きを起させる所以だと思います。手はただ動くのではなく、いつも奥に心が控えていて、これがものを創らせたり、働きに悦びを与えたり、また道徳を守らせたりするのであります。そうしてこれこそは品物に美しい性質を与える原因であると思われます。
 
商売人になりすました人が作る作品よりも、半分は百姓をして暮す人の作ったものの方に、ずっと正直な品が多いということであります。それは農業が与える影響によるものだと思われます。大地で働く生活には、どこか正直な健康なものがあるからでありましょう。

 

年齢とともに、こういう世界が好きになってきているのかな。じっくり味わって読みたいね。オススメです。(・∀・)