とくにこの本の奇想天外さにはビックリしたなあ!(・∀・)
さてこの本。「平面グラフィックの上に指が関与すると、どういうことが起きるか。佐藤雅彦と齋藤達也が、「指(身体)とグラフィックデザインの新しい関係」を探求する中で生まれた表現。本書は、読んで眺めるだけのものではありません。本を開き、さまざまなグラフィックの上に実際に指を置いてみてください。自らの指が関与することで、グラフィックとの関係が変わり、新奇な表層や感覚が立ち上がる……。人間の基本的な所作をきっかけにした、新しい体験が広がります。(2014年2月にギンザ・グラフィック・ギャラリーにて行われた「指を置く」展の公式書籍)
「私たちにとっての指の存在」
「指」の存在が人間の活動、 特に認知活動にどういう影響を与えているのか、そもそも、 人間にとって「手」の出現がどういう意味であったのか。
そして、私たちを取り巻くメディアというものは、 私たちとどう関係しているのか。
そのメディアの中に、自分の「指」が登場すると、 どういうことが起きるのか。
ということを、たくさんのグラフィック(図板)を使い、 解明していきます。
通常の絵画や彫刻などの美術の鑑賞では、 作品の前面に向かうのは、あなたの眼です。 手や指は関与してきません。映画館でも上映時は真っ暗にして、 あなたの存在さえもキャンセル(ないもの) としてスクリーンだけの向かわせます。 読書のときも自分の手をないものとして読んでいます。しかし、 本書では、自分の存在を敢えて、コンテンツに参加させます。 そのとき、果たして自分の存在は、 メディアへの没入感にどのような干渉を及ぼすのでしょうか。 それとも、表現の新しい鉱脈となるのでしょうか。
認知科学が発展し、 身体とメディアとの関係がより明らかになってりいる今だからこそ 、また脳機能測定により内観が客観視できる今だからこそ、 この紙と指という、 人間にとって一番基本的なメディアと身体の関係を探る意識と意義 が生まれたのです。
・私たちにとって、そもそも「指」 というものはどういう存在なのだろう。指を差す、指で触る、 指を絡める、指で掴む、指でサインを送る、指折り数える……。
・【指】とは【及び】 という言葉が変化した言葉だと言われている。指を差せば、 そこに範囲が及び、指で触れば、その表面の状態に意識が及ぶ。 指でサインを送れば、相手にに情報が及ぶ。 このように指とは自分の意識、自分の感覚、 自分の意思がそこに及ぶという存在である。だとしてら、 まったく自分の意識や感覚が及んでいないところに指を置いたとす ると、どんなことが起こるのだろう。「図版に指を置く」 という行為は、「その図版を自分の及ぶ範囲に入れる」つまり、「 その図版を自分の事として扱う」ことに他ならないのである。
指を置く = 自分事として扱う
だから、指を置いた途端、 込み入った空間の遮蔽関係に対して読み解こうという意識が俄( にわか)に起こる。
いいねえ。オモシロイねえ。人間の新しい可能性を感じるねえ。オススメです。(・∀・)