酒場のギター弾き 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「気になる部分」(岸本佐知子)

 
最近、夢中で読んでいる岸本佐知子さんの本。この人は天才か!?この発想力と着眼点と言葉の選び方が秀逸すぎる!オモシロすぎる!(・∀・)
 
 
「ますます目が離せないそんな「芸人」~~岸本佐知子が、ヘンでせつない日常を強烈なユーモアとはじける言語センスで綴った、初のエッセイ集である。眠れぬ夜の「ひとり尻取り」、満員電車のキテレツさん達、恐怖と屈辱の幼稚園時代、会った事もないのになぜだか鮮明に記憶に刻まれたある作家との思い出の数々……おかしさとせつなさで、おもわず笑いや涙がこみ上げてくること必至」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
世の中の人間を二種類に分けるいちばん手っ取り早い方法は、数学心のある人とない人〉だと思う。言うまでもなく私は〈ない〉の部分でる。いってみれば1+1=2という数学における大前提を、心のどこかで信じていないような人のことである。その積み重ねが、スペースシャトルリニアモーターカーであったりするのだろうけれど、それはわかっているけれど、でも心のどこかで(本当はあれは根性とか念力で動いているのだと思っているふしがある。他の人はどうか知らないが、私はそうだ。
 
「粒タイプ」のガムがこわい。一度スキップしながらあれを口に放り込んで、気管に詰まらせてあやうく死ぬところだったあのような恐るべき殺人兵器が白昼堂々とキオスクで売られていることに慄然とするスムーズに気管に吸い込まれるようにつるつるに仕上げられた表面。両端を平たくつぶした流線型。ぴったり気管にフィットする大きさと形。そこには明確な殺意が感じ取れるではないか。
 
『こがねむし』という童謡は変だ。昆虫である黄金虫が金銭を所持できるのか、という問題はひとまず措くとしても、解せないのはこの歌のトーンだ。裕福な黄金虫への嫉妬からこの歌が作られたとしか思えない。それに二番の「子供に水飴なめさせた」も変だ。
 
『おおさむこさむ』も変だ。「山から小僧が下りてきた」小僧”はいったい何者なのか?
 
・私はひそかにある統計を取っている。「多くの人が“雰囲気”を“ふいんき”と発音している」という自説の正しさを証明するためだ。今のところ、6対4で自説やや有利である。これが証明されたあかつきには、かなりの人が“お騒がせ”を“おさがわせ”と言う」説にも取り組んでいきたいと思っている。
 
・私の名字は発音と声質が悪いせいなのか、電話でこちらの名前を名乗らなければならないときなど、一回で正しく聞き取ってもらえることはまずない。「岸本と申します」「ニシモトさんですね」「いえ、岸本です」「あ、クシモトさん」「いやいや違います、キ、シ、モ、ト、す」ヒ、シ、モ、ト、さん?」「いやそうじゃなく、あのほら海岸の岸にモト」「え、ウミモト?」「いえいえいえ、えーとだから、きききき金隠しのキにシピンのシ」こんな時にかぎってろくな単語が浮かばない。だいたい今どきシピンなんて誰が知っているというのだ
 
・私はつねに何かを心配している。幼稚園の頃の私の最大の、そしてもっとも恐ろしい心配は、いま自分は人間のつもりでこうして服を着て、幼稚園に行ったり人と話したりテレビを観たりしているけれども、もしかしたら自分の見ているこの世界はぜんぶ幻で、本当は自分はただの猿なのではあるまいか?幼稚園でお遊戯をしたり歌を歌ったりしているのも、じつはただ裸の猿がおかしな格好をして『キキッ』とか叫んでいるだけなのではないだろうか?今こうしてテレビを観たり、プリンを食べたりしているつもりでも、現実にはそのへんの岩をじっと見ていたり、草をかじっているだけで、仲間の猿から“変な奴”と馬鹿にされているのだったらどうしよう?」というものだった。
 
・下校時の児童たちの会話を聞いていて発見だったのは、自分が現役小学生だった頃にやっていた遊びや言い回しが、何十年も経った今もけっこうフォルクローレとして生き残っていることだった。「いーけないんだいけないんだ、せーんせいに言ってやろ」「バカがみるー」「何時何分何秒に?」「ばーか、かーば、ちんどんや、お前のかあちゃんでーべーそ」「カエルが鳴くからかーえろ」「かみーがないかれ手をふいて」手袋って逆から言ってごらん」「ちがうね、これあげ『ぬ』って言ったんだね」……。
 
・古くから唱歌として親しまれ、私たちがふだん何の気なしに聞いたり歌ったりしている歌には、けっこう不可解な内容のものが多い。『森の熊さん』しかり(なぜ熊さんは会うなりいきなり「お嬢さん お逃げなさい」などと言うのか?)『おおブレネリ』しかり(なぜブレネリは突然たがが外れたように歌い出すのか?)一週間』のこの人はいったいどういう人物なのか。月曜日に風呂をわかしておきながら火曜日に入るとは尋常ではない
 
 
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笑えるなあ。爆笑モノだなあ。他の本も読んでみよ。オススメです。(・∀・)