「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「サラ金の歴史 消費者金融と日本社会」(小島庸平)

 

今は昔。サラ金のCMではむじんくん」などの印象的なCMがしょっちゅう流れてたよね〜!ティッシュは、山ほどもらってたよね〜!消費者金融アイフル「そこに愛はあるんか!」は見なくなったし。過払い金の司法書士事務所の研修も、以前やったなあ〜!(・∀・)

 

さてこの本。「利用したことはなくても、誰もが見聞きはしたサラ金消費者金融しかし、私たちが知る業態は、日本経済のうねりの中で大きく変化して現在の姿となったものだ。素人高利貸から団地金融、そしてサラ金消費者金融へ……。好景気や金融技術の発展で躍進するも、バブル崩壊や社会問題化に翻弄されていった業態について、家計やジェンダーなど多様な視点から読み解き、日本経済の知られざる一面を照らす」そのエッセンスを紹介しよう。

 
アコム、プロミス、レイク、武富士アイフル。1990年代〜2000年代にかけて、消費者金融企業の名前は、毎日のように目あるいは耳に入ってきた。テレビではCMが繰り返し流され、町には派手なデザインの広告や看板が林立。至るところにティッシュ配りの社員が立っていた。あの頃、ポケットティッシュを買う必要はほとんどなくサラ金会社からもらえばそれで十分だった。だが、21世紀生まれの学生に聞くと、サラ金からポケットティッシュを配るところなど、全く見たことがないという。
 
・2006年12月に制定され、2010年6月から完全施行された改正貸金業法は、サラ金業界に極めて大きな影響を与え、過去に払いすぎた金利は「過払い金」として取り戻せることが広く知られるようになり、各社の経営は著しく悪化した。現在、アイフルを除く大手は、軒並み銀行の傘下に入っている。かつて、サラ金各社は、毎年のように法人所得ランキングの上位に食い込み、創業者一家が高額納税者番付に数多く名を連ねていた。華やかな経済的成功に彩られながら、膨大な数の被害者を生んだサラ金とは、一体何だったのか。なぜ急速な成長の後、一転して挫折と停滞を余儀なくされたのか。
 
営利を目的とするサラ金だけが、貧困に困った個人の窮状を救ってくれる存在だったというのは、よく考えてみると相当に奇妙な事態ではないか。
 
・具体的に、二つの視点からサラ金の歴史を振り返る。(金融技術、「人」の視点彼らはどのような歴史の上に立って登場し、何を目指して自らの企業を成長させたのだろうか。また、サラ金の従業員たちはどのように働き、利用者たちはいかなる事情から金を借りねばならなかったのか。業界に関わる一人ひとりのあり方にも踏み込んで、サラ金の歴史をたどってみたい。
 
「素人高利貸の時代ー戦前期」「日本昼夜銀行のサラリーマン金融」「質屋・月賦から団地金融へ」サラ金と団地金融の創業者たち(森田国七と田辺信夫)」「団地金融の限界と消滅」「サラリーマン金融と「前向き」の資金需要(高度経済成長期)」「人間的な顔をした金融システム・プロミス神内良一」「イデアマン・八谷光紀のヤタガイ・クレジット」「サラ金で借りる人・働く人ーサラ金パニックから冬の時代へ」「感情労働と債権回収の金融技術」「無人貸付機と自動契約機の歴史」「改正貸金業法の影響と帰結」「日本が生んだサラ金など。

 

日本経済のウラの歴史だよね。なんてドラマチックな!!オススメです。(・∀・)