今は昔。サラ金のCMでは「むじんくん」などの印象的なCMがしょっちゅう流れてたよね〜!ティッシュは、山ほどもらってたよね〜!消費者金融はアイフルの「そこに愛はあるんか!」は見なくなったし。過払い金の司法書士事務所の研修も、以前やったなあ〜!(・∀・)
さてこの本。「利用したことはなくても、誰もが見聞きはしたサラ金や消費者金融。しかし、私たちが知る業態は、日本経済のうねりの中で大きく変化して現在の姿となったものだ。素人高利貸から団地金融、そしてサラ金、消費者金融へ……。好景気や金融技術の発展で躍進するも、バブル崩壊や社会問題化に翻弄されていった業態について、家計やジェンダーなど多様な視点から読み解き、日本経済の知られざる一面を照らす」そのエッセンスを紹介しよう。
・アコム、プロミス、レイク、武富士、アイフル。1990年代〜 2000年代にかけて、消費者金融企業の名前は、 毎日のように目あるいは耳に入ってきた。 テレビではCMが繰り返し流され、 町には派手なデザインの広告や看板が林立。 至るところにティッシュ配りの社員が立っていた。あの頃、 ポケットティッシュを買う必要はほとんどなく、 サラ金会社からもらえばそれで十分だった。だが、 21世紀生まれの学生に聞くと、 サラ金からポケットティッシュを配るところなど、 全く見たことがないという。
・2006年12月に制定され、 2010年6月から完全施行された改正貸金業法は、 サラ金業界に極めて大きな影響を与え、過去に払いすぎた金利は「 過払い金」として取り戻せることが広く知られるようになり、 各社の経営は著しく悪化した。現在、アイフルを除く大手は、 軒並み銀行の傘下に入っている。かつて、サラ金各社は、 毎年のように法人所得ランキングの上位に食い込み、 創業者一家が高額納税者番付に数多く名を連ねていた。 華やかな経済的成功に彩られながら、 膨大な数の被害者を生んだサラ金とは、一体何だったのか。 なぜ急速な成長の後、一転して挫折と停滞を余儀なくされたのか。
・具体的に、二つの視点からサラ金の歴史を振り返る。( 金融技術、「人」の視点) 彼らはどのような歴史の上に立って登場し、 何を目指して自らの企業を成長させたのだろうか。また、 サラ金の従業員たちはどのように働き、 利用者たちはいかなる事情から金を借りねばならなかったのか。 業界に関わる一人ひとりのあり方にも踏み込んで、 サラ金の歴史をたどってみたい。
「素人高利貸の時代ー戦前期」「 日本昼夜銀行のサラリーマン金融」「質屋・月賦から団地金融へ」 「サラ金と団地金融の創業者たち(森田国七と田辺信夫)」「 団地金融の限界と消滅」「サラリーマン金融と「前向き」 の資金需要(高度経済成長期)」「 人間的な顔をした金融システム・プロミス神内良一」「 アイデアマン・八谷光紀のヤタガイ・クレジット」「 サラ金で借りる人・働く人ーサラ金パニックから冬の時代へ」「 感情労働と債権回収の金融技術」「 無人貸付機と自動契約機の歴史」「改正貸金業法の影響と帰結」「 日本が生んだサラ金」など。
日本経済のウラの歴史だよね。なんてドラマチックな!!オススメです。(・∀・)