・私の人生は一言で良い表すと「多動の極み」です。 脳も心も身体も、 いつもいろんなところでで動き回っていて落ち着きがありません。 8年ほど前、精神科によって「ADHD」(注意欠陥、 多動性障害) という発達障害を抱えていると診断されたことに端を発します。 発達障害は通常、子供に当てはまるものですが、 私の場合は三十代半ばで四人の娘を抱えている父親の身でした。 診断を受けた時の情景が今でも目に浮かびます。
・幼少の頃からときかく落ち着きがなく「変わり者」 と呼ばれがちだった自分と関係があるかもしれないと思ったのは、 この診断のわずか一ヶ月前のこと。 私の頭の中でいくつもの挫折や失敗がまるでジグソーパズルのよう に繋がり始めていました。 青春時代の挫折の象徴であった大学受験での失敗。 学生時代や起業してからの人間関係の悩み、 家族とのコミュニケーション問題…… 気になる符号がたくさんありました。
・今まで自分を苦しめてた問題が、もしも脳の仕業だったら。 そして、その脳をうまくコントロールする方法があるとしたら。 今直面している困難が乗り越えられるかもしれない…。 結論として、この診断がきっかけで、 私の人生が劇的に転換したということです。 いまだ私自身信じられないくらいです。 また自身の障害と向き合うことを通じて、 どうして自分がこれまで度重なる逆境にも負けず前進を続け、 日米間でキャリアを積み重ねながら、多くの人に支えられつつ、 妻と四人の娘と共に人並みに幸福な家庭を維持してくることができ たのかも再認識させてくれました。 今ではADHDという発達障害は克服できると確信するに至りまし た。そう、 ADHDを抱えるすべての人は成功できる可能性を秘めているので す。
・「百回の心理療法より一回の診断」
・「不注意」ではなく「過集中」が問題。 一度何かに集中してしまうと、 その集中を他のことにシフトすることができない。 他に優先度が高く、本来なすべきことがあったとしても、 そちらに気持ちを切り替えることができないことです。
・ADHDの三大気質=「不注意・多動性・衝動性」
・とにかく、 何か途方もないことを思いつくと実行したくてウズウズするのです 。プランを練ることなどまどろっこしく感じ、 身の危険なんて想像だにしません。 自他共アイデアマンの私の頭の中は友人曰く「 玉石混淆のおもちゃ箱」 日中でも多種多様なアイデアがとりとめなく降って湧いてきますの で、 常にスマートフォンや小さなメモ帳にそれを書き留めるようにして います。
・特に「好きなこと、新しいこと、ためになること」の三つには、 過集中をする傾向があると言われています。
・「私は『例外』を認める教育の場こそが、 今の日本に不足していると考えています。 ADHDやアスペルガーの生徒をいかにクラスの中でコーディネー トしていうのかということは、 教育の現場として具体的な目標になると考えています」
・ADHDと向き合うことで、 私がプライベートだけでなく仕事の上でもトランスフォーメーショ ン(覚醒、変身)を経験しました。 自分の人生が公私ともにうまく機能していないという事実をまず受 け入れました。そして、 成果が挙がらない理由は全て自分にあると考え、 それを変えるための努力をしました。成果がでないなら、成果・ 生産性第一としてプロセスを変革すべきです。
・ワイルコーネル医科大学のリチャード・フリードマン教授「 退屈や決められたやり方を嫌い、 常に新しいことや興味を惹かれる方向に向かおうとするADHDの 気質は、定住型の現代社会には向かないが、 狩猟や遊牧を主な営みとしていた原始社会では成功者だったのでは ないか?」
・発達障害を抱えているとカミングアウトしている人物
・「社会の中で1%が自閉症だとすると、 百人の教室では一人の生徒が自閉症(あるいは重度の発達障害) である。そんな時、 迷惑を蒙る他の99人はその一人がいなくなればいいのにと思う。 しかし不思議なことにこの割合は変わらない。 仮にその一人が転校でいなくなっても、 残りの99人の内からまた一人、同様の問題を持つ者がでてくる。 つまり、全体でその1%に対して責任を共有しているのだ」
実に考えさせられる。「天才」に憧れるワタシは、うらやましいカンジもする。「LGBTQ」もそうだけど、いろんな人がいていいよね。ホントにそう思うわ。超オススメです。(・∀・)