子どもの頃、新潟の実家には猫がいた。小田原に引っ越したところには、借家だったので猫はいなかった。ワタシと弟は猫好き。兄と母は猫嫌い、ときている。何度も子猫を連れ帰り「ねえ、飼ってもいいでしょ!」とお願いしてもダメだった。しまいに「何で、猫を買っちゃダメなの!?新潟では飼ってたじゃん!」「ネズミがいたからだよ!」(笑)そーだったのかあ、ネズミを捕るために猫がいたのか〜!(=^・^=)
さてこの本。「多くの猫と暮らしてきた猫歌人・仁尾 智さんが、これから猫を飼う人に伝えたいことを11の短歌と短いエッセイで綴る」そのエッセンスを紹介しよう。
・猫の寿命は、長生きして二十年くらい。 これから猫を飼うあなたにも、 今後二十年の間にいろんなことが起こると思います。 引っ越したり、転職したり、家族が増えたり、逆に減ったり……。 そのすべてに「猫がいること」を前提とする必要があります。「 いま」だけでなく、「この先二十年」を想像してみてください。 そこに猫がいる二十年。 猫があなたを追い抜いて年を取っていく二十年。
猫を迎えるときにはいつも「健やかなるときも、病めるときも…… 」というフレーズがよぎります。 妻とは結婚式も挙げていないくせに、です。猫を飼うことは、 当たり前だけれど、猫の一生をまるごと引き受けることです。
・幸せの終わる瞬間を実感したことは、あるだろうか。僕はある。 日常的にある。猫の喉の音が鳴り終わるとき、幸せは終わる。 その音は、この世で一番やる気のでない、 この世で一番素敵な音ときている。神様って天才だ。
・僕の手に もう生傷がないことで 子猫が猫に なったと気づく
・猫なのに ねずみ算式に 増えるので 増えないように 僕たちがする
・入ってた袋のほうで じゃれる猫 僕の選んだ おもちゃをよそに
・幸せは 重くて苦い ひざに寝る 猫を起こさず すするコーヒー
・ノラなのに 人なつっこい おそらくは 過去に名前で 呼ばれてた猫
・猫の死は、きつい。どこかをもがれたような感覚がずっと続く。 突然、腹の底から「悲しみ」 としか言えないものがせり上がってきて、 吐くように泣いてしまう。自分ではまったく制御できない。
名付けて「幸福前借り理論」。 猫との暮らしで得てきたおだやかさとか、やわらかさとか、 あたたかさとか、おもしろさといった幸せの数々は、 全部返済の義務がある「前借り」なのだ。そして、 前借りした幸せを返済する唯一の方法が、その「猫を看取ること」 なのだ。僕がお守りのように、いつも心に携えているこの理論を、 これから猫を飼うみなさんにもおすそわけしたいと思います。
いいなあ!ニャンコ、飼いたいなあ!幸福前借りしたいなあ!♪ 猫屋敷に住みたいなあ。だって前世はニャンコだから。オススメです。(=^・^=)