昭和40年代後半から50年代のプロ野球・パ・リーグのエースといえば、近鉄の鈴木啓示、阪急の山田久志、太平洋の東尾修、日本ハムの高橋直樹、そしてロッテの村田兆治だよね。なかでも「マサカリ投法」の村田、好きだったなあ〜!♪
「51歳にしてストレート142キロ、まさかり投法のあくなき挑戦。その驚異の肉体と精神の秘密とは? テレビやスポーツ紙では決して見えてこない、プロ野球投手の本当の醍醐味を凝縮した1冊」そのエッセンスを紹介しよう。
・テレビの挑戦番組でたまたま投げる機会があって、 ストレートで142キロが出た。(51歳)そのときスタッフが「 村田さん、今もまだ投球練習をなさっているのですか」 と聞いてきた。もちろん、練習などやっていないし、ボールさえも握っていない。引退して11年も経ち。 練習もしていないのに、なぜ、そんなに早い球が投げられるのか、 みんな不思議で仕方がないらしい。
・現役復活はありえないが、 選手としてまだ何なりからの成績を残せるかという点だけでいえば 、そこそこの成績を残せる自信はある。
・現役の頃からどんな場面に関係なく「投げる」 からにはやりとげたい究極の目標を持って投げていた。「 すべての打者を三球三振で打ち取り、81球で試合を終える」。 若い頃は、打者にファールされてもムカッとしていた。 バットにかすりもさせないで三振を取ることだけをいつも考えてい たからだ。
・「一球目から最後の球まで同じ球を投げる」のが理想だ。 これが投手にとって最も難しい。 最初から最後まで同じような緊張状態を維持して投げることは想像 以上に難しいものだといっていい。
・暴投の日本記録、148個。 おそらくこれからも誰にも抜かれない記録だと思う。 17個のシーズン最多暴投、3個というゲーム最多、 イニング最多暴投の記録まで持っている。 ほとんどがフォークボールがワンバウンドになる暴投がほとんどだ った。しかし、私はこれを恥じてはいない。 敗戦の直接の原因につながる暴投は数えるほどしかない、 失敗をおそれずにフォークボールを投げるという意味合いが強いわ けだ。
・ 100勝くらいで終わる投手と200勝をあげた投手の決定的な差 は何かといった質問を受ける。私が考えるに、それは、 自分はこれでいいのだと自己満足しているか、 そうでないかの差だろう。犠牲フライで一点取られたのが、「 どうして内野フライか空振りさせられなかったのだろうか」 と考えるのかの差だと思う。 ひとつひとつのプレーの積み重ねが野球だから、 九回までいけば相当の点差になるし、 一年を通せば勝ち星にも大きな差がでてくる。
・一度体で会得した技術は忘れない。 若い頃覚えた知識を忘れていないのと同じだ。
・私が門田選手とのストレート勝負にこだわったのか。それは、 自分の今の調子をはかるひとつの目安にしていたからだ。 ナインの信頼を失うか、自信を自分につけさせてくれるか、 ギリギリの状況の中で、 あえてストレート勝負にこだわったわけだ。同じように、 張本さんにも、相当の覚悟でのぞんでいた。 イチローは怖いというより、 イヤらしいといったニュアンスのほうが自分のイメージには近い。
・ピッチャー論は、肉体論に行きつく。 あるスピードがコンスタントに出るというのは、 同じ投げ方ができるし、同じ筋力があるということだ。 ピッチャーで難しいのは、去年はあれほどよかったのに、 今年は悪くなったというようなことが、 どうして起こるのかということについて、 答えが簡単に見つからないところにある。
・今のプロ野球ではあんまり大記録が出ない。200勝投手も、 福本さんのような106盗塁とかない。 どうして大記録が出ないのか。記録を出せば、 それを阻止しようということになって技術の高度化と向上につなが っているからだ。投手も分業制だ。悪くはない。 これからも小粒になっていく可能性もあるが、 そういったものを凌駕するような圧倒的なスターが出てくる可能性 だって否定できない。打者と投手の駆け引き、力対力の勝負。 とてつもない大記録を見たいものだ。
・父の最期の言葉「兆治、おまえに、この右腕をやりたい…」 兆治の“兆”とは、億の万倍の数を指す。 つまりこの世で最高の男になってほしいという、 父の大いなる願いが込められている。
・スポーツでもビジネスでも、人を相手とする闘いで、 勝利と敗北、成功と失敗とを分ける要因は、 攻撃的な精神と意地の有無ではないかと思う。
「『江夏の21球』の場面で投げられた江夏がうらやましい」「 投げるのが恥ずかしかった“まさかり投法”」など。
いいなあ。男、村田。こういう個性的な選手が少なくなったけど、出てほしいよね。野球ファン必読っ!オススメです。(・∀・)