「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「中国の大盗賊・完全版」(高島俊男)

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やっぱり日本と中国ではスケールが違うよね。この本を読んでそう思ったわー!♪
 
「秘かに待望されてきた幻の完全版ついに刊行。名著のほまれ高い『中国の大盗賊』で割愛されていた150枚を完全収録。陳勝や高祖から毛沢東まで、縦横無尽に活躍する「盗賊」の姿を活写する中国史の決定版!」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・本当の盗賊は、そんな甘いもんじゃない。国史上の二大勢力は「紳士」と「流氓(りゅうぼう)」だ紳士は知識人であり、これが官僚になり政治家になって支配層を占める。流氓とは無職のならず者のことで、これが徒党を組んで盗賊になる。中国の歴史は、この紳士と盗賊とが、対抗したり連合したり、あるいは一方が他方を従属させたりしてきた歴史だ。この本は、最初に、その盗賊のやや詳しくのべ、そのあと、特別スケールの大きな盗賊について書いたものである。なるほど盗賊の側から歴史を見るのもおもしろいものだ、と思っていただけたら幸いである。
 
中国の「盗賊」は日本のどろぼうとはちょっと違う。「盗賊」はかならず集団である。これが力をたのんで村や町を襲い、食料や金や女を奪う。大きくなって都市を一つ占拠して居座ったりすると、手がつけられなくなる。さらに大きくなって、一地方、日本のいくつかの県をあわせたくらいの地域を支配したなんてのは史上いくらでも例がある。しまいには国都を狙い、天下を狙う。実際に天下を取ってしまったというのも、また例にとぼしくないのである。
 
・もっとも盗賊は中国の特産ではない。英語では「バンディッド」という。昔はヨーロッパも中南米にも東南アジアにもたくさんいた。地中海シチリア島の盗賊などは特に有名だ。民衆は、盗賊の被害にあるのはもちろんイヤだけれど、盗賊の話は大好きである。
 
・中国では、昔から今日にいたるまで、いともかんたんに人を死刑にするのである。多数の貧しい農民からしぼるというのは、手間がかかるし、もともとカラカラなんだから大した成果はあがらない。役人で狙うのは豊かな農民、豪農である。このほうが能率がいいにきまっている。それも一番いいのは、何かいいがかりをつけて、死刑、財産没収、とやることである。一発でゴッソリ実入りがある。
 
中国では身代金目当ての誘拐は爺さんを狙う。親を連れ去られた子くらい心配するものはない、というのが中国人の考え方なのである。それに子供の親はせいぜい二人だが、爺さんには子や孫や親戚など心配の仕手がたくさんいるから身代金がそろいやすい。さすがに孝の国ですな。
 
・盗賊やヤクザの世界では,「兄貴」というのは、最大級の尊称なのである。
 
昔から中国の盗賊は、すこし大きな集団になると、たいてい知識人の秘書をかかえている。「読書人・文人を招いて軍師とする」と言う要するに幼時から古典の勉強をしてむずかしいコトバやリクツをたくさん知っている連中である。盗賊もある程度大きくなってくると、連絡や交渉、あるいは布告なでお、字を書ける人間、それもりっぱな文章を書ける人間がどうしても必要になってくる。強いばかりじゃダメ、礼儀を知らぬとバカにされる礼儀を心得ているのは文人である。

 

すごいなー!水滸伝三国志の世界だねー!同じアジアといっても中国と日本を一緒にされちゃ困るなー!オススメです。(・∀・)

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