「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「震災風俗嬢」(小野一光)

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いや〜この本、すごいわー!タイトルもスゴイんだけど、人間の「性のチカラって生きるチカラ」なんだね〜!それがよく分かるっ!!!φ(..)メモメモ
 
東日本大震災から一週間後。営業を始めていた風俗店があった。そんなことは想像すらできなかった……。被災地の風俗嬢を五年にわたり取材した渾身のノンフィクション」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・「こないだね、北上のデリ(デリバリーヘルス)で遊ぼうとしたらね、やってきたのが沿岸に実家のある十九歳の学生の子だったのよ。大船渡だっけかな。家族は全員無事らしいけど、家が流されたうえに,お父さんが勤め先を流されて仕事を失ったらしぐって……それでまだ小さい弟と妹がいるもんだから、家計を助けるため北上さ出てきて働き始めたんだって。いやもう、なんか気まずかったぁ」
 
・「家を流されたり、仕事を失ったり。それでこれから関東に出稼ぎに行くという人もいました。あと、家族を亡くしたという人もいましたね。そんな場合じゃないことは、本人もわかっていたと思いますよ。ただその人は『どうしていいかわからない。人肌に触れないと正気ではいられない』って話してました。三十代後半の人です。その人はプレイのあとで添い寝をしてほしいと言ってきたので、そうしてあげました」
 
・「震災後のほうがお客さんが優しくなりましたね。前はガツガツしてる感じの日とが多かったんですけど、いまは元気がないというか、みんなふんわりしてるんです。あと、つらい状況の中で、私たちを呼ぶ間だけは楽しみたいという人が多いと思います」
 
・「お互いに大変な目に遭ったねって話をして、でも、生きてこられたからこういうことできるんだねって。やっぱり同じ境遇を味わっているから、いままで人に話したくても話せなかったことを、いろいろ口にすることができて、気が楽になったんです」
 
・「最近は仮設住宅に住んでるお客さんが多いんですね。そこで聞いたのは、仮設って物音がすごく響くらしいんです。それで子供とか隣の部屋にいるから奥さんとエッチができなくてセックスレスになっちゃう人が多いみたいなんですよ。だから欲求不満なんで、やって来たっていう話をけっこう聞きました」
 
・お店に復帰する一ヶ月前から復帰しようと考えるようになって、お客様の前に出ても恥ずかしくないようとしたんですね。そうしたら(ダイエットに)時間がかかってしまったんです。久しぶりに店に出て仕事に癒やされました。復帰する前に、お店のホームページにあるブログ欄に自分の境遇を書いていたんですけど、その結果、来店したお客さんから慰めの言葉や優しい言葉をかけてもらえたですね。それに、お店に出たことによって、お客さんのなかには私どころではない、壮絶な体験をした人がいっぱいいることを知りました。そのことで私も、これしきのことで負けてられないと思って、一からやり直していけるという気持ちになれたんです。
 
やっぱり、癒やされたとか、気分が楽になったとか、そういうことを言われると、すごく嬉しいんですよね。人のためになるというか……。で、それにプラスしておカネがついてくるという……。もう、どんな部分でもいいんですよ。で、それにプラスしておカネがついてくるという……もう、どんな部分でもいいんですよ。会話が楽しかったとかね。それで『また来るよ』って言ってもらえると、喜びがあるんです。
 
・(震災の二週間後から再開して)いや、それが忙しかったのよ。ぶっちゃけ、震災の影響で会社に行けなかったりするじゃない。だから時間があるみたいで、普段よりはるかに忙しかった。義援金だとか保険金だとかガパガパもらって、それでいて時間があったのよ。キャバクラとかもけっこう忙しかったみたいよ。

 

よくインタビューできたね〜。ジャーナリストってスゴイわー。オススメです。(・∀・)

 

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