「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「武士道的一日一言」(新渡戸稲造)

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100年前といえば、大正時代。ようやく男性にのみ選挙権が与えられ、関東大震災があり、第一次世界大戦があったよね。当時の大卒サラリーマンの初任給(月給)は、50~60円だったそうな。何倍だ?計算できないー!!!
 
さて、この本。ちょうど100年前の、大正時代のベストセラーがコレ。新渡戸稲造といえば、5000円札。そして「武士道」を世界に広げた人。現代語になおして読みやすくなりました。そのエッセンスを紹介しましょう。
 
 
1月20日 誠の道
 
人の世話をすれば「親切なふりをして」と言われ、本を読んでいれば「学者きどりだ」と言われ、何かを主張すれば「ちょこざいな」と言われ、もっと真面目にやろうよといえば「何様のつもり」と言われる。他人の陰口にびくびくしていると、電車で席もゆずれないし、本屋で本も買えない。人生でいちばんまずいのは、心の命じるがままに行動しないこと。よいことを行うのに何も遠慮はいらない。
 
かたくなと笑へば笑へ真直(まっすぐ)な
誠の道を行ける此の身を
 
 
1月31日 抑の一字
 
飲食はできるだけ淡白にし、房事をできるだけ慎むのが、人としてよりよく生きる秘訣である。衣類をなるべく質素にし、身辺の品もなるべく粗末なものを用い、部屋もなるべく簡素なしつらえとする。これが家をきちんと維持するための秘訣である。贅沢への願望を抑え、好き放題にしたいという欲望を抑えること。国をあずかるような偉い人にとっても、自らの人生をよりよく生きたいと願っている人にとっても、「抑」の一字こそがもっとも重要な要である。(大田錦城 江戸後期の儒学者
 
 
4月8日 灌仏(かんぶつ)会
 
今日は灌仏会、お釈迦様の誕生日である。釈迦が世の人のために、自分の身を捨てて尽くしてくれたことに、あらためて感謝しよう。たとえ宗教が違っても、すばらしい先達が我々を教え導くためにしてくださあったことは、歴史から拭い去られることはないのであり、気持ちをあらたにして釈迦の徳に思いをはせよう。釈迦の教えによって、どれほどの疑問が解決し、どれほどの妄想が追い払われ、どれほどの黒雲が消え去ったことであろうか。
 
入りがたき草の戸刺ざしも秋風の
吹きはらふにぞ月は澄みける  (宗良親王 後醍醐天皇の皇子)
 
 
5月11日 忘恩
 
人から元手を借りても、商売がうまくいけば自分の手腕だと思う。研究がうまくいえば、教わった先生の恩を忘れてこれが自分の力量だと自慢する。病気がなおると医者の力だと手篤い看病のおかげだとは思わないで、自分の養生がよかったのだという。人からうけた恩は忘れやすい。
 
おのが目の力で見ると思ふなよ
月の光で月を見るなり
 
 
5月22日 袈裟と坊主
 
この世に間違いを犯したことのない者はいない。私も例外ではない。だが、間違いを犯した人を憎むのは、間違っている。罪を憎んでも人は憎むな。過失と人は別にすべきだ。坊主と袈裟は別なのである。
 
濁り江や小川の水にしづめども
まことは同じ山の瑞の月 
 
 
12月18日 衣服も皮も自分ではない
 
外に出ると、最先端のファッションで着飾った紳士淑女らと次々とすれ違う。では自分の姿はどうだろうと鏡に映してみて、恥ずかしく思ったなら、よくよく考えてみてほしい。衣服は自分ではない。皮も自分ではない、ただ心だけが自分なのだということを。
 
我が姿醜かりとて恥ぢなせそ
こころ言葉を清く持てれば
みめあしく姿に花は咲かずとも
心に実をば結べ世の人

 

いいねえ。100年前だよー!やっぱり真理はいつの時代も変わらないんだね。オススメです。(・∀・)

 

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