「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「向田邦子の遺言」(向田和子)

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以前小田原の実家で飼っていた猫のニャン太が失踪して2年。たまたま帰省したときに、ふっと現れたことがあった。驚いたっ!!!いつもと変わらない様子でいつもの場所でエサを食べて、相変わらず太くてカワイかった。それからまた失踪。自分の死期がわかるように、きっと最期のお別れの挨拶に来たんだろうなあ…。
 
さてこの本。飛行機事故で亡くなった向田邦子さん。実は遺書らしきものが残されていた!!!えーっ!知らなかったー!まるで自分の死期がわかるような内容だった。そのエッセンスを紹介しよう。
 
・姉が突然私たちの前から姿を隠して20年が経った。この20年は、傷心の歳月とともに、私にとっては発見の毎日でもあった。「さすが、お姉ちゃん、一筋縄じゃあいかない。いろいろな仕掛けを作っておいて、まだ私を向こう側から試している」そんな気になるほど、姉の思い出は、生きることの意味を私に教え続けている
 
・姉は旅行に行くとき私に、「もしものときは、テレビの上にメモがあるから、見て下さい」と前から言っていたのだ。でも私は、それを見るということが起こりうるとは考えないから、「あ、分かりました」と言うだけで見たことなんかなかった。それで、実際に事故になったら、そう言われたことも、頭のどこにも残っていなかった。茶封筒から取り出した紙を見ると、台本用の原稿用紙4枚で、そこに万年筆でかなり大きな文字で、走り書きのようにメッセージが書かれていた。
 
「どこで生命を終わるのも運です。体を無理したり、仕事を休んだりして、骨を拾いにくることはありません」
 
・「あなたには小料理屋をやってほしいの。女同士でも気軽にはいれて飲み食いできる店って、案外少ないから、いけると思う。あなたは料理が上手だから、あなたの手持ちの料理でとりあえず始めても、やれるんじゃないかしら。お金は私が出すから、場所もいい、人気(じんき)もいい所で、やりましょ。あなたが、そういう所で働いている姿を見るまでは、私、死にきれない

 

最期のときって、何か虫の知らせってあるのだろうか。ワタシのオヤジも、自分の半生を綴った本を書き終わってからすぐ亡くなったしなあ……。自叙伝を書くのはもう少し先にしよう。(笑)オススメです。(・∀・)

 

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