いまのマンションに住んで27年になるんだけど、今度引っ越すなら商店街のあるところ、と決めている。ごちゃごちゃしていて、ざっくばらんで庶民の活気が溢れているようなところ。おそらくこの物語のような
「この路地を曲がったら、そこはもう、すこし不思議な世界の入口――。どこかなつかしい気配が漂う架空の町・明日町の「こんぺいとう商店街」に、人気作家たちが個性あふれるお店を開店する、ほっこりおいしいアンソロジー。ポプラ文庫の人気シリーズ第3弾が文庫オリジナルで登場!今回、お店を開く作家は全部で7人。人気のベテランから注目の若手まで、読みごたえのある物語が揃っています!」そのエッセンスを紹介しよう。
「夏祭り。もう、勝手がわかんなくなって参っちゃうよ。『 タイムテーブル』ってどんな机だって聞いてみたら。 時間割にことだってよ。いちいちそんな調子だよ」
・浅草やスカイツリーから近い明日の湯はまだマシな方だが、 いつ何が起こっても不思議でないこの世の中では、 彼らと同じ道を辿らないとも限らない。しかし、 そうなった時はそれで構わないと思う。東京の顔が「タワー」 から「スカイツリー」に変わるようなものだ。 黒電話もスマートフォンになったし、 8ミリフィルムはブルーレイディスクになった。つまり、 仕方の無いこと、である。
・鳩の焼き鳥は脂が少なくあっさりしていて、繊細な味がする。 殺して、さばいて、調理して、体の中に入れる。 私と鳩の間につながりができる。この雉と交換された猪との間にも。いや、 正しくはこれまでに食べてきた肉との間にも、 見えなかっただけでつながりはあったのだ。 自分の体がなにかとつながるのはとても不思議だ。 あとは母の体から生まれたことと、 セックスぐらいしか思い浮かばない。
『カフェスルス〜一年後〜』(大島真寿美)『ブティックかずさ』 (越谷オサム)『エステ・イン・アズサ』(青谷真未)『 明日の湯』(秋山浩司)『ドイツ料理屋「アイスパイン」』( 島本理生)『多肉植物専門店「グリーンライフrei」』( 加藤千恵)『赤木ミート』(彩瀬まる)
どれも個性的なお店です。本の中で自分のお店を持てるっていいよね。オススメです。(・∀・)
このシリーズ、最初から読んでね。オススメです。(・∀・)
「明日町 こんぺいとう商店街2 招きうさぎと七軒の物語」(大島真寿美 他)
「明日町 こんぺいとう商店街2 招きうさぎと六軒の物語」(藤谷治 他)