「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「大衆食堂に行こう」(東海林さだお)

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全作品読破を達成した東海林さだおさん。食べもののことを書かせたら天下一品!天才である。(・∀・) 『ひとり酒の時間イイネ!』『ゴハンですよ』との3部作、ここに完結とのこと。音楽でいうとベストアルバムだね。今回のテーマは、大衆食堂。そのエッセンスを紹介しよう。

・大衆食堂の最大の特徴は、店頭の看板に、大きく、堂々と、悪びれず「大衆食堂」と大書してあることである。食べ物屋というものは、とかくちょっと気取って「ウチの店はほかのと違ってちょっとひとクラス上なんだかんな」という態度を取りたがる風潮のなかにあって、常に毅然としている大衆食堂のおやじさんたちはいつ見ても立派だ。
大衆食堂によく似た商売として「定食食堂」「駅前食堂」がある。よく似ているが、はっきり違うところも厳然としてある。定食食堂はとにもかくにも定食が主体である。定食には「ところどころ凹んだアルミのお盆」これが必須。定食はこれに載っていなければならない。これなくては定食屋は成立しない。駅前食堂は大衆食堂に似ているところはあるが、こっちはとにもかくにも「駅が前」にないことには話が始まらない。駅から歩いて30分の場所では「駅前食堂」を開店することはできない。

 

昼めしを食いに出かけるサラリーマンの歩き方は、ビジネスのときの歩き方と明らかに違う。例えば、朝、駅から勤め先に向かう歩き方と違う。営業に向かう歩き方とも違う。ビジネス用の歩き方と、メシ食い用の歩き方とを区別しているのである。

 

・京都駅を出てタクシー乗り場に向かう。すると、なんと、客待ちのタクシーの先頭はベンツだった。ベンツのタクシーには一度も乗ったことがないので、よし、この際乗ってみっか、と、乗り込もうとしてハタと気がついた。“ベンツに乗って定食屋”は、“自転車のに乗って料亭へ”と同じぐらいつじつまが合わない。普通の車に乗り換えて定食屋へ。

 

「下宿」という言葉から、人はまず何を連想するだろうか。そう!「貧乏」である。下宿から「富裕」を連想する人はまずいないにちがいない。ぼくの下宿生活も、全篇隈なく貧乏に彩られていた。その昔、総天然色映画、という言葉があったが、まさに総天然貧乏生活そのものだった。


その他、「午後の定食屋」「正午の月給取」「ホッと一息昼休み」「午後一時五分前のエレベーター」「セットメニューの騒ぎ」「懐かしやスパゲティ・ナポリタン」「ヨシギュウ一年ぶり」「カツカレーの誘惑」「幸せの黄色い親子丼」「レストランのイモコロッケ」「「カツ牛カレー丼」はあるか」「うどん屋の地獄」「いまが旬、冷やし中華など。

 

いいなあ!今日の昼めしは大衆食堂で決まり!だね。オススメです。(・∀・)

 

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