ちょうど一年前。一回目の緊急事態宣言で我が家のピアノが旅立っていった。ずーっと弾いてなかったのだが、最後に妻が弾いた音が忘れられない……。いいよね……ピアノは……♪
さてこの本。「弾く、聴く、だけではわからない。ピアノは読んでもおもしろい。知ってるようで、知らない知識、ピアノを弾く人、聴く人、教える人、習う人…必読の一冊!」そのエッセンスを紹介しよう。
「一番最初に「リサイタル」を開いたピアニストは?」→ リスト
「リサイタル」という名称は、詩の朗読(リサイト) から来ています。音楽のコンサートというより〈詩の朗読会〉 に近いという認識から、 この言葉が使われるようになったのでしょう。 背もたれのある硬い椅子にかえて、 スツール型のピアノ椅子をコンサートで初めて使ったのもリスト。
・「現存する世界最古のピアノは?」→ 1720年
ピアノは楽器としては比較的歴史が新しい楽器。 まだ300年にも達していません。 しかし1709年にイタリアのクリストフォリが初めて製作した3 台のピアノフォルテはすでに失われてしまっています。 現在残っているのは、 ニューヨークのメトロポリタン美術館に保存されていうクリストフ ォリの1720年製のピアノで、 54鍵の鍵盤を持つものが最古とされています。
・「コンサートで最初に暗譜で弾いたピアニストは?」→クララ・ シューマン
天才モーツアルトも、怪人ベートーヴェンも、魔術師リストも、 もちろん暗譜でバリバリ弾けましたが、 当時は公開の場で楽譜なしで演奏することが行儀が悪く、 作曲家を侮辱していると思われていたのです。でも、 なんと女性のクララ・シューマンは、 その風習を破ってコンサートで暗譜で弾いた最初の人でした。
・「ピアノコンサートに集まった聴衆で、これまで最高の人数は? 」→ 10万人以上
・「現在、日本でピアノをもっている家庭は何軒ぐらい?」→ 700万世帯
これまで日本のピアノメーカーが国内向けに販売してきた数を累積 すると、約700万台になると推定されます。 つまり日本で全体で二割の世帯がすでにピアノをもっている、 というわけです。
・「ピアノは、いつごろ誰が発明したんだろう」→ 現在のピアノの原型を作ったのは、イタリアのフィレンツェで、 メディチ家の楽器保管係をしていた、 チェンバロづくり職人のバルトロメオ・クリストフォリ( 1655〜1731)だというのが定説。 爪で弦をはじくチェンバロの音が、 強弱の変化にとぼしいことを不満に思い、 代わりにハンマーじかけで弦を打って鳴らすしくみ(アクション) を考えだしたのです。1709年、18世紀初めのことでした。「 クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」( 弱音も強音も出せるチェンバロ)と名づけました。 その後何台かのピアノを試作しますが、引き継ぐ者がなく、 ピアノづくりはドイツのオルガン製作者ジルバーマンの手に受け継 がれ、改良されて、 18世紀後半から徐々にチェンバロに代わって脚光を浴びるように なりました。
・「ピアノが木でできているわけは?」→ 優れた「木」の共鳴が作り出すもので、 ほかの素材ではピアノらしい音が失われてしまうから。 一般に人間の耳には自然界に存在する音に近い音ほど、 快いと感じる傾向があります。そこで昔から、 アコースティックな楽器には天然素材から生まれる豊かで自然な音 が追求されてきました。 木は人間の耳に不快に響く高次倍音を吸収し、 生体のバイオリズムにかなった響き(放射)と余韻(減衰) を創り出します。その自然な音が、私たちに「美しい」 と感じさせる一つの要因になっているのです。
「ピアノのために最初に曲を書いた人は?」「史上最年少でピアノコンサートを開いた人は?」「 史上最高齢でピアノコンサートを開いた人は?」「 ピアノのレッスンは、いつごろから始まった?」「 日本のピアノ教育は、いつごろ始まった?」「 日本で初めてピアノが渡来したのは?」「 日本でピアノが初めて作られたのは?」「ピアノは、 なぜ88鍵なんだろう?」「グランドピアノは、なぜ流線型なの? 」「ピアノの弦も切れることがある?」「 グランドピアノとアップライトピアノ、どこが違う?」「 生ピアノと電子ピアノ、どこが違う?」「手づくりピアノって、 有るの?」「調律って、なあに?」「ピアノの登場で、 音楽はどう変わった?」「猫が歩いても、人が弾いても、 ピアノの音はおなじ?」「ピアノの寿命は、どれくらい?」「 変りだねの曲、あれこれ」「ピアニスト奇人変人録」「 作曲家たちのこんな話、知ってる?」など。
いいねえ。「ギターを読む本」ってあるのかな!?音楽ファン、ピアノファン、オススメです。(・∀・)