「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる」(せきしろ)

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学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる

学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる

  • 作者:せきしろ
  • 発売日: 2012/10/01
  • メディア: 単行本
 

またまたステキな本に出逢いました〜!♪ タイトルがいいよね〜!ワタシは中学は野球、高校ではギターを弾いて歌うことに夢中になっていた。勉強もあまりしなかったし、恋愛なんて片思いのみでまったく縁がなかった。それでも「学校の音を聞くと」死にたくはならないが、懐かしいっ!!!

 

星新一ショートショートを継ぐ「21世紀の短編集」ではないだろうか!表現力と描写が好き。とても参考になる!φ(..)メモメモ

 

郷愁と哀愁。後悔と未練。 鬼才、せきしろが紡ぐ短編ライトノベル。教室に響く音、廊下に伸びる影、卒業式の涙。図書室の先輩、アルバイト中のキミ、文化祭の僕。
鬼才、せきしろの新ジャンル“短編ライトノベル"堂々開幕」自分の備忘録としてを書いておく。

 

「夏の夜道(怖い話がヘタ)」「だるまさんがころんだ(部、鬼部門1位)」「高校受験(十数分の彼女との高校生活)」「朝顔(浴衣と花火)」「立て篭もり(パンティとマリー・アントワネットと原子と天照大御神 )」「ストライク(スペアが取れたら恋はうまくいく)」「罵り合い(悪口を帳消しにする)」「コントローラー」「じっと手すりを見る(エスカレーターと雑巾)」「気まずい日々(木村庄之助の命日)」「今は何月か…(自販機の10円玉)」「鬼として(仔犬がいなくなる)」「步(愛の駒)」「アンケート(笑顔2)」「約束(神社、おかえり)」「子供の頃見た図鑑ではチーターが一番早かった(目の前のニンジン)」「ずっと朝が続く(パンと転校生と恋)」「べっぴんさん(3年間ずっと好きだった人)」「友達か恋人か」「あるある哀歌(校庭に犬)」「受け止めるべきだったもの(ボールか女の子か雪か)」「変化に気づかない(お題が長い笑点」「理想の出会い(職業=田原俊彦)」「傘をささない」「交点(変なキャラクターのシャーペン)」「毛布」「この冬最後の雪かもしれない」「試験に出る英単語(funny cat)」「手の中」「魔球」「追憶料理対決」「セピア以外の色」など。
 
 
セピア以外の色」
 
朝、通学路を「お先に!」と掛けて行く彼女の髪を束ねたゴムの紺色。
自転車に乗って見に行った、5月になってやっと咲いた北国の桜の色。
彼女から借りた教科書に、几帳面にひかれていたラインの蛍光色。
一緒に札幌で買ったマフラーのチェックのオレンジ。
授業中、降ってきた雪が校庭を真っ白に変える中、イチイの木の緑。
北海道の大学は受けないと告げた時の、彼女の影の色。
 
 
中でも笑えたのがコレ。
 
 
「仲良しクラス」
 
卒業の半年後、男子生徒A、専門学校中退、男子生徒B,消息不明(口論している声を近所の人が聞いたのが最後)男子生徒C、スポーツで進学するも怪我で退学、男子生徒D、自称役者、男子生徒E、詐欺に合う。男子生徒F、表向きは家業を継いでいることになっている。男子生徒G、騙されて密輸の手助けをしてしまう。男子生徒H、OBとして毎日部活を見ては嫌がられている男子生徒I、「向いてなかった」と料亭修業を即刻辞める。男子生徒J、明るさが取り得だったが、職場ではそれが受け入れられず、むしろ嫌われる。男子生徒K、風貌だけラーメン屋の店主みたいになる。男子生徒L、毎日ゲームセンターにいる。男子生徒M、先輩が作った中古車屋でただ働き、男子生徒N、小学生とばかり遊ぶ町の変わり者に。男子生徒O、漫画喫茶の宣伝カーの運転手。男子生徒P、無免許で治療していたことがばれる。男子生徒Q、駅員とトラブルになった末に……。男子生徒R、健康器具無料体験の会場にいる。男子生徒S、自称ライター。男子生徒T、焦り過ぎて変なタレント事務所に所属。
 
女子生徒A、翻訳家になるという夢はもうない。女子生徒B,消息不明(外国人男性と一緒にいるところを目撃されている)女子生徒C、家事手伝い。女子生徒D、ジモトとタウン誌にイラストを投稿。女子生徒E,レジ打ちだけが上達。女子生徒F、怪しい声優の学校に。女子生徒G、健康食品販売。女子生徒H、郊外の大型スーパーの中の飲食コーナーでバイト。女子生徒I,早くもバツイチ。女子生徒J、大好きなバレーはもうできない身体に。女子生徒K「女芸人になる!」と言ってはいたが……。女子生徒L,彼女には誰も触れたがらない事態に。女子生徒M、飼い犬が通行人を噛んでしまう。女子生徒N、「資格がなきゃ」と何度も言ってるだけ。女子生徒O、マルチ商法にはまる。女子生徒P、自称占い師。
 
以上が『なかよしクラス』の成れの果てだ。
 

あるあるだねー!(笑)ウチの高校もこんな感じだったよなー、きっと!(笑)これ、ひとつひとつがすべて歌になる。著者のせきしろ、天才的な表現力だなー。超オススメです!(・∀・)

 

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学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる

学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる

  • 作者:せきしろ
  • 発売日: 2012/10/01
  • メディア: 単行本