一日一冊一感動!小野塚テルの『感動の仕入れ!』日記

タイトルは、『一日一冊一感動!小野塚テルの感動の仕入れ!』日記。 毎日の読書、映画、グルメ、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。(ときどき「酒場のギター弾き」「B級グルメ」も紹介します)

「心を開かせる技術 AV女優から元赤軍派議長まで」(本橋信宏)

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昨年から夢中で読んでいる本橋信宏氏。村西とおる監督の「全裸監督」は良かったねー!まさか映像化されるとは!!!(笑)

 
人見知りで口べた、まともに異性と話せなかった著者が、アンダーグラウンドの世界に潜り込んで、いつのまにかインタビューしたAV女優、風俗嬢は800人!どんな大物、悪党、美女、強面も著者には、なぜ心を開いてしまうのか。その秘密は長年にわたって工夫を重ねてきたしゃべりの技術にある。多くの具体的な例をあげて、誰にでも応用できる形ですべて公開。難攻不落な相手の口説き方、論争の仕方、秘密の聞き出し方など、今までどんな本にも書かれてなかった超インタビュー術」そのエッセンスを紹介しよう。
 
人間が言葉を紡ぎ出すと、個性となって結実し、話を聞き終えた私は言いようのないような重さを両肩に背負っています。ドストエフスキーの長編を読破したような重さと言ってもいいでしょう。どんな人間にもドラマはあり、それを聞き出すのが、私の仕事のひとつです。私が話を聞き出してきた彼や彼女は、皆、話芸とでも言うべき個性があり、人を引き付ける魅力がありました他社の心を開かせるコツというものを私が持っているとしたら、それは私のコンプレックスから誕生したものだ、と言えるでしょう。
 
・超能力は、一切信じない私ですが、ただひとつ、それに近いものが存在するのは否定しません。他人を心底感動させたり、死を考えていた人間を思いとどまらせることもできる、人間が生み出した最も素晴らしいツール。それは言葉です。
 
私は自分がどんなふうに他人の目に映っているか気になる小心者、どうも自分に自信が持てずに生きてきました。例えば辛いカレーライスがあるとすると、私が感じている「辛い」という味覚は果たして他人と同じ感覚なのだろうか、他人の味覚とは異なるものではないだろうか、という疑念があるのです。この他人との差異は幼いころからずっと私につきまとう感覚でした。だから他人の生活が気になりますだから自分の日々に比べて他人の半生はどうなのだろうかと、すり合わせてみたくなるのです。
 
・私の知っているBMWのセールスマンでも、生保の営業マンでも、トップの売り上げを誇る人間というのは、意外と口数が少なく、控えめな性格ですおしゃべりのセールスマンがトップに立つというのは、めったにない。インタビューも同じ。雄弁家というのはインタビュアー(聞き手)に向かない。むしろ口べたくらいのほうが、相手(話し手)もリラックスして何でもしゃべるようになるものです。
 
アルコール依存症の友人は「明日から飲まないようにしよう」という文章では、絶対に断酒はできなかったのです。AA(アルコホーリクス・アノニマス)で学んだ彼は、明日飲んでもいいから、きょう一日は飲まないでいよう」酒に手が出そうになるとき、必ずこの文章を言葉にしてみたのです。不思議なことに気付くと酒から開放されていたのです。飲まない」という動詞は、同じですが「いつ」飲まないのか、そこを変えるだけで劇的な心の変化が起きたわけです。言葉を組み替えるだけで、まったく異なる結果になった。言葉は思考となり、エネルギーとなる人間が勝ち得た最も偉大な発明が、言葉でした。言葉はエネルギーを内包しているのです。
 
村西とおる監督のAV女優の「親バレ」の応酬話法。いきなり両親の話を持ってくる。
素晴らしい!とてもチャーミングな笑顔、そしてそのナイスなバディ、素晴らしいですよ。こんなファンタスティックなスタイルは、不肖村西とおるいまだかつて見たことがありません。素晴らしすぎる!そのバディ!張りそってます、張りそってますよ。うーん、ナイスですね。でもね、いいですか。あなたのそのすばらしい肉体は、決してあなたが努力して築き上げたものではないんですよ。あなたの素晴らしい肉体は、ご両親からいただいたもの、ご両親があなたを産み育てたからなんです。あなたはまずお父さんお母さんに感謝してください。わかりましたね。あなたの努力はその後なんです。これからなんですね」この会話にはすでに応酬話法のすべての要素が含まれていますまず、いきなり最大の問題点である親バレについて避けることなく、みずから冒頭に持ってきています。親の問題を避けることで、あえて話題のテーマに掲げるところに、村西監督流の応酬話法の凄みがあります。お父さんお母さんの存在によってあなたた生まれた、という事実を確認させることで、女の子が抱いている親バレの恐怖をいきなり払拭してしまいます。
 
村西とおる流応酬話法のポイント
 
1 最大の問題点を後回しすることなく、冒頭に持っていく。
2 問題点を逆にメリットに変えてしまう。
3 自己の存在を刺激する
4 相手を徹底して賞め称える
5 ユーモアを忘れない
 
それまであまり賞められてこなかった彼女たちが、大の大人からこれだけ賛美のシャワーを浴びせられると、お世辞だとわかっていてもうれしいものです。さらに張りそってます」という意味不明な言語、「ナイスです」「ファンタスティック」といった気恥ずかしくて使えないような英単語を臆面もなく使うとで、強引に笑いをとっています。緊張している相手を和ませる最も有効な手段は、言うまでもなく“笑い”です。特に若い女の子たちにとっては、笑いを運んでくれる男は、つい点数が甘くなります。
 
・いままでのらりくらりして乗り気でなかった人間でも、この質問をすると、必ず真摯な態度で答えてくれます。とても重要な内容です。あなたにとって一番古い記憶は何ですか?」この質問をすると、皆、過去の記憶を呼び戻そうと真剣な面持ちで思い出してくれうのです。そして一番古い記憶を思い出してくれたとき、人間は真摯な態度になり、それ以降の話もスムーズに聞けるようになります。
 
噂の眞相岡留安則編集長からのアドバイス抗議に来る人間からは、どこまでも話を聞いてやること」この教えを守り、2時間でも3時間でも抗議を聞いてみるのが私のモットーになりました。人間の感情の中で最も長い時間持続するのが困難なのが、“怒り”です。2時間3時間たつと、さすがに持続できなくなり、怒りに間が空きます。このとき、すかさずこちらから妥協点を探るのです。相手の言葉につい熱くなって反論するのは、野暮なことです。ここは仏の心境になって、じっと相手の話を聞くことです。
 
コミュニケーションを円滑に図る最大のポイントは、好奇心を持つこと。相手への好奇心であり、森羅万象への好奇心です。一度この世に生まれたからには、少しでも知らない世界をのぞいておきたい。だから人に合い、人から話を聞く。人間は無視されることが一番つらいことです。どんな人間でも、自分の話を聞いてもらいたがっているのです。だからこそ“他者への好奇心”は、心を開かせる最大のポイントになります。心から相手を理解しようと欲する情熱こそが大事なのではないでしょうか。いまも、インタビューの仕事は数多く舞い込んできます。次は、あなたの話を聞かせてください。
 
特に、「緊張感を消す人間の位置関係は「L字型」」「杉山グループの杉山治夫会長への直撃インタビュー」「心に傷を持つ少女たちを癒やすのは“笑い”である」「身につけているアクセサリー、洋服、時計にはドラマが眠っている」「肉体の傷跡はあえて聞くべきである」「カラオケボックスは告白の場所として最適」「林由美香孤独死「成功した人物ほど、独特の話法を持っている」「究極のコミュニケーション“応酬話法”」「代々木忠の愛の呪文」「名刑事八兵衛の落としのテクニック」「キャリア官僚のウィークポイント」「超大物だってすんなり会えるときがある(梶原一騎)」「究極のコミュニケーション“全裸インタビュー”」「吃音はかえって説得力を増す」「緊張したときのとっておきの秘策(緊張したらクンニ)」「出逢いがかなったときの喜びこそ、大事にしたい(髙田宗彦)」「裏を取るという作業が感動を深める(「神田川」)」など。
 

深いなあ……経験者が語る、現場学だね。一気に読みました。実践しよう!超オススメです!(^◇^)

 

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