政治に疎い私でも、中村喜四郎の名前は知っている。ゼネコン汚職で逮捕された代議士だ、しかし選挙で無敗とは知らなかった。出所後も当選し続けているのだ!なぜ、何故!?(・o・)
「戦後生まれ初の閣僚で、自民党最盛期の建設族のプリンス、そして田中角栄最後の愛弟子であった男は、ゼネコン汚職で逮捕され、刑務所へと送られる。しかし、そこから新たな伝説が始まった。検察の取調べに完全黙秘を貫き、検事をして「男の中の男」と言わしめた男は、出所後も当選を重ね、初当選から現在まで14戦無敗。そして、安倍一強の政界を揺るがす仕掛けを次々と繰り出している。25年の沈黙を破って語られた驚愕の事実とは。角栄の素顔、ゼネコン汚職の真相、自民党分裂で小沢が果した役割……昭和から平成にかけて激震した政界の裏事情。さらに日本だけでなく、トランプを生んだアメリカにもわたり、「選挙に勝つ」ことの意味を掘り下げる。この男から目が離せない!」そのエッセンスを紹介しよう。
・中村は1976年の初当選以来、選挙で一度も負けたことがない。14連勝を成し遂げている。 戦後、刑務所でのお勤めから戻って議場に返り咲いた衆院議員は中村喜四郎ただ一人 である。なぜ選挙に強いのか。なぜ、検察と戦ったのか。 そして、なぜ無所属の立場を貫き、政治家という職業を続けているのか。
・中村は幼い頃から「将来、政治家になる」と自分に言い聞かせなら、育った 。その志を家族以外の人間に初めて宣言したのは、小学生の時であった。
・「『歩く』ということは、選挙のテクニカルな部分としても重要ですけど、『人の気持ちも大切にする』という考え、テクニックというより生き方がその基本にある んです。この人たちは何を欲しているのか、どうすればこの人たちの気持ちを惹きつけられるのかを瞬時に見分ける。そういう政治家としての感性は、歩かないと磨かれない」
・中村喜四郎が選挙にもたらしたもの。それは、明治維新でも戦後の民主化でもこの一帯では成し遂げられなかった「下からの革命」であった。これまでの選挙の常識を覆し、社会の底辺を支えている人々に「自分たちが結束すれば既得権者を投票所で打ち倒せる」 というカタルシスを与えたのだ。
・「本来、私があの選挙区から出られる隙間はなかったんですよ。全部支配されている。そうすると国会議員の選挙で相手にされない人たちを相手にするしかない 。というと、名もなく、貧しく、美しく。それが私であり、そこが私の支持層だ 。一般の人を引きつけるんだ。そこの労力を尽くすのが一番だ。それで歩き始めた 」
・「私は絶対に自分の実績を言わない。それを言っちゃおしまい。『この仕事は私が仕掛けた』と言い始めたら、中村喜四郎は終わりですよ。 口が裂けても言わないというのは、最初の選挙から守っています。ここは曲げない、ポリシーだ、と」
・「みんな間違っているんですよ。国会質問をしました、誰と会いました、この仕事やりましたということが政治家の仕事だと思っている。違いますよ。政治家の原点は選挙運動ですよ。買った瞬間から選挙運動をやり続けて、プラスアルファの時間で国会で仕事をする。しかも、何をやったかと言わない。有権者には選挙運動を見せて、評価してもらう。魂で有権者を惹きつけなきゃダメなんだ」
・「私は20年間、つまり、あの事件以来、あの事件以来、政治献金もゼロで通していますからね。今まで40年間も、議員やって、一回も金集めの『励ます会』はやったことがない。出版記念会もやらない。自画自賛型、自己陶酔型は一切やらない。普通の政治家がやることは一切やらない。事務所も持たない 。自宅でやっている。最小の人数で動かすというシステムを作って、そしてやっているから、自分の会社(岩井自動車学校)と兄貴の病院(医療法人秀峰会)」の応援さえ受けられれば、耐乏生活が成り立つわけですよ。
・名望家を味方につける、企業や団体の組織力に便乗する、あらゆる組織の名簿をかき集める、パーティーを開いて政治資金を集める、老人会のバス旅行の見送りをする、機関紙やニューズレターを配る、ホームページを作る、SNSやブログで発信する、新聞やテレビへの露出度を高める、などの「選挙必勝法」は、中村喜四郎は何一つしていない。では、いったい何をしているのか。たった二つしかない。地域回りと活動報告ー以上だ。 誰でもやっていること。それを徹底してやるのが無敗の秘訣なのだという。
・「人間性というのはアピールするから感じてもらえるものではないんですよ。空気で感じるもの。空気が大切なんです。 中村喜四郎はこういう人間なんだという空気。適当なことはやらない。とことんやる。弱音を吐かない。そういうイメージを壊さないようにするために続けているんです」
・(なぜ、人は中村喜四郎を応援するのか)「やっぱり中村喜四郎はオレたちと同等だという同等意識があるんだと思う。上の人間っちよりも常にオレたちを見ている、普通の人たちを見ている。偉いとか、立場があるとか肩書きをひけらかすような人、ましてやでっかい政党なんで、クソ食らえだとおおう意識は共有していると思う。『中村喜四郎はオレたちの仲間だ』『中村喜四郎は普通の人と一緒に戦っているんだ』 という感覚は、年取った人だけでなく、若い人も持っていてくれているんですよ」
この本で、中村喜四郎のファンになった。こんな人が地元にいるなら応援するだろうなあ。これぞ昭和の政治家の鑑だろうなあ。政党も実刑も関係ない、人間力とは、コレだっ!!!今年のベスト10入り間違いない。超オススメです。(・∀・)