「酒場のギター弾き」であるワタシ。歌手でもないシンガーソングライターでもない、ましてはお笑い芸人でもない、「酒場のギター弾き」なのだ。(笑)一日の仕事が終わり、ホッとしたときに飲む一杯のビールやお酒。その癒やしの場である酒場に流れるBGM。その歌を聞いたときに「あ〜懐かしいなあ、あのとき、こんなことがあったよなあ〜!」と記憶がよみがえる。そう、「歌とは記憶」なのだ。「歌は世につれ世は歌につれ」というけど、次から次へと思い出す「歌」。カラオケにもない自分だけの歌、マイナーミュージシャンやアイドルの歌、タイトルも知らないがなぜか記憶の片隅に残っている歌、で疲れをふきとばす、エネルギーを充電する、というようなサイコーの「お酒と心のおつまみ」がワタシの歌、といってもよいだろう。ということであちこちからお呼ばれして「流し」ております。(・∀・)
さてこの本。「多くの酒飲みが、一日の終わりを晩酌によってホッと締めくくっている。そんな、食事でありつつある意味で儀式でもある晩酌をとっかかりに、お酒や食事について話すうちに、人生哲学や普段は見せない素顔までが浮かび上がってくる──。「酒場ライター」として人気のパリッコが、11人のお相手たちと差しつ差されつ語り合った夜の記録と記憶は、すべての酒好きはもちろん、下戸な方にも染み入る「ちょっといい話」が満載。気軽に楽しく読める、けれど味わい深い一冊」そのエッセンスを紹介しよう。
・お酒にまつわる幸せな時間というものはいろいろあります。 酒場でとことん無益な会話をつまみに友人たちと馬鹿笑いするひと ときは何よりの楽しみですし、 長年の歴史が堆積した老舗居酒屋の圧倒的な空気を全身に浴びなが ら、ひとり静かに飲む酒もまた、 代えがたい恍惚の時間といえるでしょう。
・中でも特に「あぁ、今心がゆるんでいるなぁ……」 と感じるのが「晩酌」の時間かもしれません。懐事情、腹具合、 帰り道の心配、何もかもから解放され、 自分の好き勝手にすごせる、ほろ酔いの時間。 満足したらその場にバターンと倒れ込んで寝てしまったってい、 究極の安心感。「究極のリラックスタイム」 といえるのではないでしょうか?
・晩酌を広辞苑で引くと「家庭での晩の食事の時に酒を飲むこと。 また、その酒」とありますが、本書ではもっと広く、その方が「 心からリラックスしてお酒を飲む時間」であると定義し、 あまりにも個性的な11名の著名人にお話を伺いました。
・(かとうちあき)・野宿宴会を公演や川べりなんかでやると、 それまでなかったはずの「場」がそこに出現するんです。 誰が来るかわからないし、 興味を持った通行人の方が一緒に飲み始めることもある。 最初はふわーっと楽しくなるんですよ。 だけどすぐい気持ち悪くなって、寝ちゃう。でもその「ふわー」 の時間は幸せだから、努力して伸ばしていったという感じ。
たいがいチキンラーメンをひとつカバンに入れてるんですね。 歩いているうち、それが良い感じにもろもろになる。 その崩れた部分をちびちびポリポリかじりながら飲むのが好きです ね。つまり、長持ち歩けば持ち歩くほどつまみが増える! そして締めにはラーメンまで食べられる! ひとつ持っているだけで確実に幸せになれるという安心感。
・(二村ヒトシ)・「星の王子さま」に「のんべえの星」 ってのが出てくるんですよ。どの星にも住人がひとりいて、 王子さまが酔っ払いのおじさんになぜ酒を飲むのか尋ねたら、 確か「恥ずかしさを忘れるためだよ」 みたいなことを言うんですよ。で、「何が恥ずかしいの?」 と聞くと「酒を飲むことが恥ずかしいんだよ」と。(パリッコ) いわゆるアル中の言い訳ですね(笑)
向井秀徳、今野亜美「志ら井」のもつ煮込み(川崎競馬場) ピーター・バラカン、林雄司、河相我聞、久保ミツロウ、 大谷能生「浅見本店」、かとうちあき、二村ヒトシ、 マリアンヌ東雲、ラズウェル細木。それぞれのエピソードがユニークでオモシロイっ!
いいなあ、いつか「酒場のギター弾き」の本を出したいっ!オススメです。(・∀・)