ワタシの青春時代に夢中になったドラマがあった。それが宮本輝の『青が散る』。 佐藤浩市、石黒賢、二谷友里恵、川上麻衣子、利重剛などの二世タレントのオンパレード!!!主題歌の松田聖子の『蒼いフォトグラフ』は名曲だよね〜!
そして宮本輝原作といえば、すぐに引退しちゃったけど、沢田玉恵主演の『蛍川』も良かった〜!同じ『輝・つながり』ということで親しみがある作家だ。(・∀・)
さて、この本。「作家・宮本輝がよるべない青春を共に生きた三十二の名作。自伝的な思い出を込めて語った、優しくて痛切な青春読書案内」そのエッセンスを紹介しよう。
・実際、私は小舟のようなものだった。 14歳の初夏から18歳の冬まで、私という艫(ろ)もなく櫂( かい)もなく、まともな舵もついていない小舟は、 いまにも沈没寸前の状態で、 あちこちの海をあてどなく漂流していた。時代でいえば、 昭和36年から40年の終わりにかけての、 日本が急速に経済発展していったころだった。「おんぼろ小舟」 はなにも私だけだったのではない。その年頃の少年は、みんな「 おんぼろ小舟」だったに違いない。何もかも思いどおりにならず、 内側から吹き出てきて行き場を失くす自我や、 正体不明の抑えようのないエネルギーを持て余し、 自分という小舟をどう扱ったらいいのか検討もしかないまま、 ただやみくもに波や風に逆らっている。
・私は本を読むのが好きだった。勉強も嫌い、スポーツも嫌い。 兄妹もなく、友だちもあまりいない。 父は借金取りから逃げて家に帰ってこない。 母は希望を喪って昼間から酒にひたり、 目を離すと市電のレールの上を歩いていたりする。 当時はそんな生活だったのである。そんな私という小舟には、 古今東西の本が積まれていた。私は、いかなる本を読んで、 よるべない時代を過ごしたのだろう。 それを書き留めておくことも悪くはない。 いわば少年時代の読書録「本をつんだ小舟」と題して、 そのときどきの自分にまるわる光景とともに、 幾つかの小説のことを書きしるすことにしよう。
「青春」(ジョセフ・コンラッド)「野」(上林暁)「トロワ・ コント」(フロベール)「悪の華」(ボードレール)「 青べか物語」(山本周五郎)「昆虫記」(ファーブル)「おはん」 (宇野千代)「飢餓海峡」(水上勉)「恋について」( チェーホフ)「異邦人」(カミュ)「あすなろ物語」(井上靖)「 貧しき人々」(ドストエフスキー)「山の人生」(柳田國男)「 高野聖」(泉鏡花)「ジョニーは戦場へ行った」(ドルトン・ トランボ)「雨の降る品川駅」(中野重治)「蜜柑(「黒い御飯」 「手袋のかたっぽ」「沿い白い犬」「電車を降りて」「一個」「 青梅雨」)」(永井龍男)「はつ恋」(ツルゲーネフ)「 山頭火句集」(種田山頭火)「マテオ・ファルコネ」(メリメ)「 楢山節考」(深沢七郎)「測量船」(三好達治)「にごりえ」( 樋口一葉)「どくとるマンボウ航海記」(北杜夫)「肉体の悪魔」 (ラディゲ)「雨」(サマセット・モーム)など。
まだ全然読んでないなー!来年は全作読破を狙いますっ!オススメです。(・∀・)