「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「本をつんだ小舟」(宮本輝)

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本をつんだ小舟 (文春文庫)

本をつんだ小舟 (文春文庫)

  • 作者:宮本 輝
  • 発売日: 1995/05/10
  • メディア: 文庫
 

ワタシの青春時代に夢中になったドラマがあった。それが宮本輝青が散る佐藤浩市石黒賢二谷友里恵川上麻衣子利重剛などの二世タレントのオンパレード!!!主題歌の松田聖子『蒼いフォトグラフ』は名曲だよね〜!

 

そして宮本輝原作といえば、すぐに引退しちゃったけど、沢田玉恵主演の『蛍川』も良かった〜!同じ『輝・つながり』ということで親しみがある作家だ。(・∀・)

 

さて、この本。「作家・宮本輝がよるべない青春を共に生きた三十二の名作。自伝的な思い出を込めて語った、優しくて痛切な青春読書案内」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・実際、私は小舟のようなものだった。14歳の初夏から18歳の冬まで、私という艫(ろ)もなく櫂(かい)もなく、まともな舵もついていない小舟は、いまにも沈没寸前の状態で、あちこちの海をあてどなく漂流していた。時代でいえば、昭和36年から40年の終わりにかけての、日本が急速に経済発展していったころだった。「おんぼろ小舟」はなにも私だけだったのではない。その年頃の少年は、みんな「おんぼろ小舟」だったに違いない。何もかも思いどおりにならず内側から吹き出てきて行き場を失くす自我や、正体不明の抑えようのないエネルギーを持て余し、自分という小舟をどう扱ったらいいのか検討もしかないまま、ただやみくもに波や風に逆らっている。
 
私は本を読むのが好きだった。勉強も嫌い、スポーツも嫌い。兄妹もなく、友だちもあまりいない。父は借金取りから逃げて家に帰ってこない。母は希望を喪って昼間から酒にひたり、目を離すと市電のレールの上を歩いていたりする。当時はそんな生活だったのである。そんな私という小舟には、古今東西の本が積まれていた。私は、いかなる本を読んで、よるべない時代を過ごしたのだろうそれを書き留めておくことも悪くはない。いわば少年時代の読書録「本をつんだ小舟」と題して、そのときどきの自分にまるわる光景とともに、幾つかの小説のことを書きしるすことにしよう。
 
「青春」(ジョセフ・コンラッド)「野」(上林暁)「トロワ・コント」(フロベール)「悪の華」(ボードレール)「青べか物語」(山本周五郎)「昆虫記」(ファーブル)「おはん」宇野千代)「飢餓海峡」(水上勉)「恋について」(チェーホフ)「異邦人」(カミュ)「あすなろ物語」(井上靖)「貧しき人々」(ドストエフスキー)「山の人生」(柳田國男)「高野聖」(泉鏡花)「ジョニーは戦場へ行った」(ドルトン・トランボ)「雨の降る品川駅」(中野重治)「蜜柑(「黒い御飯」「手袋のかたっぽ」「沿い白い犬」「電車を降りて」「一個」「青梅雨」)」(永井龍男)「はつ恋」(ツルゲーネフ)「山頭火句集」(種田山頭火)「マテオ・ファルコネ」(メリメ)「楢山節考」(深沢七郎)「測量船」(三好達治)「にごりえ」(樋口一葉)「どくとるマンボウ航海記」(北杜夫)「肉体の悪魔(ラディゲ)「雨」(サマセット・モーム)など。

 

まだ全然読んでないなー!来年は全作読破を狙いますっ!オススメです。(・∀・)

 

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本をつんだ小舟 (文春文庫)

本をつんだ小舟 (文春文庫)

  • 作者:宮本 輝
  • 発売日: 1995/05/10
  • メディア: 文庫