「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「社会人大学 人見知り学部 卒業見込」(若林正恭)

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完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)
 

お笑い芸人が書いた本って、けっこう読んでいるんだけど、どれもなかなかオモシロイんだよね〜!案外、マジメだったり、鋭い視点を持っていたりする。テレビではゼッタイにみられない一面があって妙に感心するのだ!

 

さてこの本。ジャイアンツのエース・菅野に似ているオードリーの若林正恭。(笑)

「若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていた―。スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会との違和。遠回りをしながらも内面を見つめ変化に向き合い自分らしい道を模索する。芸人・オードリー若林の大人気エッセイ」そのエッセンスを紹介しよう。
 
社会人一年生であった2009年の頃、まず忙しかったな、という記憶。2009年と2010年はテレビの出演本数ランキングで一位だったらしい。収録では、テレビで見ていた憧れの先輩たちに会える。一緒に仕事ができる。嬉しい。でも、実力以上の仕事が舞い込んできて期待されるような働きができていないと感じる。焦る。そんな気持ちを行ったり来たりするような日々だった。一日に平均4、5本の収録があった帰りに、ネタ番組のネタ作りが必ずあった。深夜、永福町のマクドナルドやファミレスで相方と世間話など一切せずに坊さんが写経するように無表情でネタを書いていた
 
お金がない時代の食生活は一日2食。昼は牛丼。夜は100円ショップのおにぎりやパンが23時以降タイムサービスになり半額の50円になるので、それを買いに行くそんな食生活を20代のほとんどで送っていた。
 
毎日晩酌をするようになった。相変わらず飲み会嫌いなので、ほとんど一人で飲んでいる。なぜ、大勢で飲むのが嫌いなのかというと、3人以上で飲むと平均して2時間で3回ぐらい心に傷を負うようなことを言われてウッ!となるから嫌なのだ。もう一つ、酔っ払うと妙に熱いことを言ってしまうので、次の日恥ずかしくて一緒に飲んだ相手と2周間くらいコンタクトを避けたくなってしまう。
 
精神科医の人と話をしていてお笑い芸人を目指す人の特性について聞いた。即答で「人間不信でしょうね」と言われた。笑うという反応は人間の中でも嘘のつきにくい反応なのだそうだ。クラスの人気者とかイケメンとかで満たされている人に面白い人いなくないですか?」と聞かれ妙に納得してしまったのである。
 
確かに、前より生活に困ることはなくなった。でも、幸福感はさほど変わらないんだ。春日はずっと楽しそうで。若林はずっとつまらなさそうだった。ここに何かの鍵があるような気がしていた。ぼくは春日が子どもの人気があるのは見た目にインパクトがあるからだと漠然と思っていた。しかし、見た目は関係なかった。春日という男は自分に自信があり余裕がある。子どもたちはそれを感じ取って春日に集まっているのではないか感じた。また、逆にぼくの息苦しさも同時に子どもたちは感じ取っているような気がした。
 
とんでもない天才と言われている人が、人からの称賛を求め、自己顕示欲を満たすために猛烈な努力をしていたりする。その根底には、孤独や、埋めることのできない欠落感があったりするように感じる春日は正直本当に面白いことを言える人間じゃないと思う。でも、すごく面白い人間だと思う。それを、子どもの集まらないぼくは真顔で見て楽しんでいる。自分に自信があって、特別、自己顕示するために自分を大きく見せる必要のないマトモな男だと思う。ぼくは、とことんマトモになって幸福だと思ってみたい。できるなら、上昇しつつ。ぼくは春日に憧れている

 

……ワタシは社会人大学 オモシロ学部 留年中、だな。(笑)オススメです!(・∀・)

 

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完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)