「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ハルさん」(藤野恵美)

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ハルさん (創元推理文庫)

ハルさん (創元推理文庫)

  • 作者:藤野 恵美
  • 発売日: 2013/03/21
  • メディア: 文庫
 

期待していない本で、思ったより良いと、また、感動のひとしお、なんだよね〜!まさにこの本がソレ!……なぜ、この本が手元にあるのか、も忘れたくらいの本。(笑)

 

(瑠璃子さん、今日はね、ふうちゃんの結婚式なんだよ。まさか、この僕が「花嫁の父」になるなんて……)ふうちゃんの結婚式の日、お父さんのハルさんは思い出す、娘の成長を柔らかく彩った5つの謎を。幼稚園児のふうちゃんが遭遇した卵焼き消失事件、小学生のふうちゃんが起こした意外な騒動……。心底困り果てたハルさんのためにいつも謎を解き明かしてくれるのは、天国にいる奥さんの瑠璃子さんだった。児童文学の気鋭が、頼りない人形作家の父と、日々成長する娘の姿を優しく綴ったほのぼのミステリ」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・ハルさんこと春日部晴彦は人形作家。亡き妻の瑠璃子さん、春日部風里ことふうちゃんの三人の物語。
 
『自分に合わない場所にいるのは大変?』『自分らしくいられる場所があれば、そちらを選んだ方がいい』
 
「急な天候、急な転校。同じ部活の子が……転校してしまうのだ」
 
・「『今夜、ツリーの間で待っています』って書いてあったのよ、ここで待ち合わせているのは、ツリーの『下』よね。ツリーの『間』って書くのはおかしくない?
 
僕らのことを応援してくれている人たちなんだから、直接お会いして感謝の気持ちを伝えたいと思ったんだ。あのときにハルさんが言ったのと同じことを今、長谷さんは言っていた。
 
・ふたりはハルさんの方へ歩いてくる。長谷さんがひとつの花束を差し出す。「お父さん、今までありがとう」ふうちゃんからも、花束が差し出されている。「お母さんの分も…受け取って」目を潤ませ、ふうちゃんは涙声で言った。「お母さんは、いつもお父さんと一緒にいて、見守ってくれたから」「ああ……ああ……」ハルさんは何度もうなずいて、花束をふたつ、受け取った。ふうちゃんたちに何かお祝いを言おうと思った。だが、嗚咽がこみあげてきて、言葉にならない。
 
「消えた卵焼き事件」「夏休みの失踪」「涙の理由」「サンタが指輪を持ってくる」「人形の家」、どれも傑作です。

 

ラストの数ページは涙がトマラナイ……まるで、さだまさし「親父の一番長い日」のよう。感動です。藤野恵美さん、いいなあ!他の作品も読んでみます。オススメです。(・∀・)

 

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ハルさん (創元推理文庫)

ハルさん (創元推理文庫)

  • 作者:藤野 恵美
  • 発売日: 2013/03/21
  • メディア: 文庫