「活版印刷 三日月堂」でハマった、ほしおさなえさん。他の作品も読んでみたいなー!ということで読みました。これがまたファンタジー!!!
「すべてはあの町から始まったのよね」母が最期に残した言葉の真意を知るため、独りになった少年は母の故郷を訪れる。手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。町は徐々に陥没がすすみ、一部が大きな湖に飲み込まれていた。湖底に残された“思い出の品”を回収する男性・モグリに出会った少年は、しなやかに泳ぐ姿から“サカナ”と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。少年は母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく」そのエッセンスを紹介しよう。
・「結局、すべてはあの町からはじまったのよね」 母親の声が耳奥に響いた。亡くなる前日の母親の言葉だった。 ー間違いだったんだよね。お父さんは、 最初から手が届かない人だった。 母さんが勝手に好きになっただけ。 なぜいまになって急にそんな話を?少年は硬直した。 聞きたくなくて、顔をそむけた。
・大切な人をなくしたら、人は空っぽになるんだよ。 ほんとうに空っぽってどういうことか分かる?僕はね、 わからないんだ。いま自分が生きてるかどうか。息吸って、 ご飯食べて、動いているけど、 これでほんとに生きてるっていえるのか。 どこにもつながっていない……みじめなだけなんだ。
・夢を叶える第一歩ってなんだかわかるか?言葉にすることだよ。 夢は形のないものだ。叶えるにはそれを形にしなくちゃいけない。 まずは言葉で形にするんだ。ほかを捨てて。それを選ぶ。 別に俺が考えたことじゃないよ。むかし、人に言われたんだ。 けど、その通りだよな。考えてみろ。お前の人生なんだから。
・世界のどこかにバックアップを集積している場所がある。 名づけてバックアップワールド。 そして電波塔がそのバックアップワールドにつながっている。
・ー君が君のバラをたいせつに思っているのは、 君がバラのために無駄な時間を使ったからだよ。 母さんの声がした。ーたくさん時間をかけないと、 ほんとに大切にはならないんだよね。
・ー言葉ってね、奥が深くておもしろいものなのよ。 ときどき思うの。心があるから言葉がうまれたんじゃなくて、 言葉があるから心が生まれたんじゃないかって。言葉はね、 魂なの。人から人へ渡って、その人の心を育てていく。
誰もがこんな恋をした経験があるよね。もちろんワタシもあります。(笑)オススメです!(・∀・)