この本は考えさせられる。「猿の惑星」のずっと前に書かれたんだよね。動物が人間を支配するというか、人間の呪縛から抜け出したとき、果たしてどうなるのか? というのがテーマ。動物が主役の「人間ドラマ」!(笑)
「飲んだくれの農場主ジョーンズを追い出した動物たちは、すべての動物は平等という理想を実現した「動物農場」を設立した。守るべき戒律を定め、動物主義の実践に励んだ。農場は共和国となり、知力に優れたブタが大統領に選ばれたが、指導者であるブタは手に入れた特権を徐々に拡大していき……。権力構造に対する痛烈な批判を寓話形式で描いた風刺文学の名作。『一九八四年』と並ぶ、ジョージ・オーウェルのもう一つの代表作、新訳版」そのエッセンスを紹介しよう。
・さて同志諸君、我々のこの生活の性質とは何だろうか?目をそらしていはいけない。我々の生活は惨めで労苦に満ち、短い。生まれたら、ギリギリ死なない程度の食べ物だけを与えられ、能力のある者は力の最後の一滴に至るまで働かされるのだ。そして有用性がなくなったとたんに、ひどく残虐な形で殺処分されてしまう。イギリスのどんな動物wも、一歳になってからは娯楽の意味を知らない。どんな動物も自由ではない。動物の生活は悲惨と奴隷だ。これがありのままの真実だ。
・人だ。人こそは、我々が持つ唯一の真の敵だ。人を舞台から取り除けば。飢餓や過重労働の根幹原因は永遠に取り除かれる。人は唯一、生産せずに消費する生き物だ。乳も出さず、卵も産まず。鋤を引くには弱すぎ、ウサギを捕らえるには足が遅すぎる。それなのに、人はあらゆる動物の主だ。動物たちを働かせ、飢え死にしない程度の最低限の動物たちに返し、残りは自分の懐に入れる。ウシ諸君、去年一年で何千ガロンのミルクを作り出したね?そして頑健な小ウシたちを育てるはずだったそのミルクはどうなったね?一滴残らず、我々の敵ののどを潤したのだ。そしてメンドリ諸君、この一年で卵をどれだけ産んだね。そしてそのうち孵化してニワトリになったのはいくつある?
・私は運が良かった。12歳で400匹以上の子供を授かっている。ブタの自然な生き方とはそういうものだ。でも最後に残虐なナイフを逃れられる動物はいない。つまり我々のこの生活の邪悪すべては。人類の圧政から生まれているのは火を見るより明らかではないだろうか。人さえ始末すれば我々の労働の産物は我々自身のものとなる。ほぼ一夜にして我々は豊かで自由になれる。すると我々はどうすべきだろうか?それはもちろん。日夜心身を傾けて人類の転覆を謀るのだ!
ロシアの政治の歴史をモチーフにしているみたいだけど、スゴイねえ……。風刺しているねえ。オモシロすぎる。そして今でもこの物語のようなことは世界中で起きている。傑作です、超オススメです!(・∀・)