虫が好きである。もちろんゴキブリは好きではないが、セミちゃんもトンボちゃんも
カブちゃんもクワガタちゃんも大好きである。人類が登場するずっと前から「地球上の大センパイ」として敬愛している。(笑)
さてこの本。タイトルから惹きつけられるねー!♪
「深夜のコンビニは、明かりに引きつけられた昆虫にとって繁殖の場でもある。昆虫にとって船や飛行機は分布を広げる手段だ。人家はある種の昆虫にとって格好の住処。戦争で荒れ果て、放置された土地を好む昆虫もいる。人間が便利で心地よい生活のためにつくってきた装置は、環境をつくりかえ、多くの昆虫を絶滅させてきた。でも、それだけではない。時に対立し、時に共存する「文明と昆虫」の思いがけない関係」そのエッセンスを紹介しよう。
・この本は28の項目からなり、各項の題名はすべて「 昆虫にとって◯◯とは何か?」という問いかけになっている。 現在、日本では、 公式には約3万種の昆虫の存在が報告されているが、 実際には10万種はいるだとうともいわれている。 あまりに多い数なので驚く読者もいるだろう。
「昆虫にとって車とは何か?」
多くの昆虫は進化の過程で翅(はね)を獲得し、 地表を離れて飛ぶことができる。 大半はチョウやトンボに比べればはるかに小さい、 体調数ミリにも満たない種ばかりだ。 あるとき私は関東地方と沖縄で、 どんな種類の昆虫が道路の上を飛んでいるのか、 どれほどの数の昆虫個体が飛翔中に車と遭遇するのか、 調べたことがある。車に大きな捕虫網(トラックトラップ、 カーネット)。すると、車が10メートル走る間に、 車の全面1平方メートルあたりおよそ一頭の昆虫と遭遇する( ぶつかる)結果となった。 したがって1キロ走ると100頭ちょっと、 100キロ走ると1万頭、 10万キロ走ると1000万頭の昆虫に遭遇することになる。
さて、いきなり時速60キロ以上の風圧に晒されると、 体の柔らかい昆虫はまず死んでしまう。 それ以下のスピードでつぶれる昆虫はいるし、 そうでなくても体の一部が壊れてしまう。もちろん、 車と遭遇するすべての個体が死ぬわけではないが。 10分の1が死ぬと仮定しても、1キロ走る間に、 10頭の昆虫を殺すことになる。 私たちがこれまでに車によって殺してきた昆虫個体の数は相当なも のとなる。 風圧や衝突だけでなくタイヤで踏みつぶす数も半端ではないだろう 。こうした私たちは車を運転することで、 無意識のうちに大量の昆虫を、毎日殺し続けている。 車だけでなく、電車も昆虫を風圧でつぶし、 自転車も昆虫を踏みつぶし、私たち人間もまた昆虫を踏みつぶす。 昆虫の身になってみれば、車は、 悪夢のような今の世界をもたらした恐るべき使者以外の何ものでも ない。
私たちは自分たちが住む住宅や都市などを建設するために、 森林や湿地をつぶし、虫たちの生息場所を奪い、 多くの昆虫種を滅ぼしてきた。また、 さまざまな日常生活用品を作り出し利用するかたわらで、 大量の有害物質を撒き散らして環境を悪化させ、 多くの昆虫種を絶滅に追いやってきた。 それらは昆虫の繁殖と生存の機会を徹底的に奪ってしまうものの、 その作用についてはふだん意識されることが少ない。 それだけの事態はどんどん進行し、 まことに膨大な数の昆虫種がこれまでに地上から消えていった。 昆虫ばかりではなく、哺乳動物、植物、その他の生物種も、 こうした人間による無意識の大量殺戮のなかで絶滅していった。 私たち人間が平和な日常生活を送るということは、とどのつまり、 そういうことなのだ。
「コンビニ」「ビール」「ペットの糞」「材木」「スーパー」 「排水」「ファーブル」「名前」「生き虫の輸入」「自然保護」「昆虫マニア」「 生まれてきた目的」など。
まさに見る目が変わる!人生観が変わる!一冊!超オススメです!(・∀・)♪