いい!すごくいい!感動だ!!!今年のベスト10入りは間違いない!昭和40年代の小学校の木造校舎の印刷室を思い出す。 活字っていいなあ、活版印刷っていいなあ!
・夫はよく言っていた。森太郎という名前を思いついたのは夫だった気がする。世界は「森」だ、って。人生は道、世界は森、結婚は橋。旅行が好きで、旅行代理店に勤めていた夫は、よくそんなふうにいろんなものを地形にたとえた。ー世界に出て、世界と向き合う子になってほしいんだよ。
・名前って、不思議だな、って。自分のものだけど、自分では決められない。ほかから与えられるものですよね。なんだか、親と子をつなぐ蝶番みたいだなあ、って。
・『印刷された文字が影。ふつうならそうだけど印刷では違う。実態の方が影なんだ。わたしは影の主。三日月堂のマークのシルエットのカラスなんだよ』
・ひんやりとした空気が流れ、独特の匂いがした。墨とも絵の具とも違う……これは、新聞の匂いだ。「インクの匂い……ですか」「インキです。インクじゃなくて、印刷業界では、インキ、っていうんですよ」
・素敵なお店ですけど、素敵であり続けるには、ちょっとずつ更新しなくちゃいけないかもしれませんね。
・「桐一葉当たりながら落ちにけり」「われの星燃えてをるなり星月夜」(高浜虚子)
・「不思議ですよね。版も活字もないけれど、印刷された文字はこうして残っている。実態が消えても、影が残る。影が実態になって、いまもあり続けている」この本がなくなっても、賢治の物語は別の本に移って、残り続けている。そうして、多くの人の心のなかにとどまる。人生を変えることもある。一生心に残ることもある。言葉とは不思議なものである。
・「作者はもうこの世にいないのに、作品は残っている。みんなに記憶されて、影響を与えて、いろいろに解釈されて……。でも、最初は作者の思いから生まれたものだった。宮沢賢治もわたしたちと同じように身体を持って生きてきて、どうしても書き残したい思いを物語にした。そういうことだったんだな、ってわたしも思った」
・「ときどき、不安になるときがあるんです。印刷って、真っ白な紙を汚す行為のような気がして。だけど、文字が刻印されることで、その紙に人の言葉が吹き込まれる。言葉を綴った人がいなくなっても、その影が紙のうえに焼きついている。祖父がよく言ってました。『生きているものはみな、あとを残す。それも影のような頼りないものだけど』って」
・星っていうのは燃えるガスの塊だよ。死んだ人が星になるなんてことはない。だけど、最近思うんだ。それもほんとなんじゃないか、って。人が、星を見ながら、亡くなっただれかを思うなら、その星は亡くなった人の魂なのかもしれない。
ああ〜素敵だあ……これだけで曲ができそうだ!!ぜひ映像化してほしいなあ。超オススメです。(・∀・)♪